米 橋崩落事故 航路確保に軍派遣へ 不明者救助活動は打ち切り

アメリカ東部メリーランド州のボルティモアで、大型の貨物船が橋に衝突した事故で、沿岸警備隊は行方不明の6人が生存している可能性は低いとして、救助活動を打ち切ると発表しました。一方、崩落した橋によって、全米有数の海運拠点である港が使用できなくなっているため、バイデン大統領は、船の航路を確保するため軍を派遣する考えを示しました。

アメリカ東部メリーランド州の最大都市ボルティモアで26日未明に起きた事故では、橋の橋脚に大型の貨物船が衝突して、橋の大部分が崩落し、橋の上にいた作業員8人のうち、6人が行方不明となっています。

沿岸警備隊は26日夜、事故から一定の時間が経過しているため6人が生存している可能性は低いとして、救助活動を打ち切ると発表しました。

今回の事故では、ボルティモア港の出入り口が崩落した橋でふさがれ、港への船の出入りができなくなっています。

ボルティモア港は、自動車の取り扱い台数では13年連続で全米1位という有数の海運拠点で、バイデン大統領は26日に緊急の記者会見を開き「港に関わる仕事や労働者を守るために、できるかぎりのことをする」と述べ、船の航路を確保するため、現場に陸軍の工兵部隊を派遣し、がれきを海中から取り除く作業を急ぐ考えを示しました。

アメリカのメディアは、当面、多くの船がニューヨークなど東海岸の別の港を使うことになるとの見通しを伝え、地元経済や物流への影響が懸念されています。