高校野球 センバツ 中央学院が宇治山田商に勝ち準々決勝へ

センバツ高校野球、大会8日目の第1試合は、千葉の中央学院が三重の宇治山田商業に7対6で勝って準々決勝に進みました。

中央学院は2回、1アウト一塁三塁のチャンスで、8番の臼井夕馬投手がセンターへの犠牲フライを打って1点を先制しました。

3回には、2アウト一塁二塁で5番の颯佐心汰選手がライトへのタイムリーヒットを打つと、相手の送球ミスもあり、2人目のランナーもホームに返りました。

続く、森田倫揮選手もタイムリーヒットを打つなど、4回までに7点を挙げました。

中央学院は終盤、宇治山田商業に追い上げられましたが逃げきり、7対6で勝って初の準々決勝に進みました。

宇治山田商業は6回に打線がつながり、4番の小泉蒼葉選手のタイムリーヒットなどで3点を返すと、8回にも1アウト一塁三塁の場面でダブルスチールに成功するなど、1点差まで迫りましたが、序盤の失点が響き届きませんでした。

《中央学院 監督・選手談話》

相馬幸樹監督「苦しかった 選手たちは頼もしくなりました」

中央学院の相馬幸樹監督は、終盤に相手の反撃をしのいだことについて「苦しかったです。8回は1点差になってもいいよ、9回1点差で守っていこうという話をしました。9回のタイムを取ったところは最後の勝負どころだったと思います。選手たちは頼もしくなりました」と話していました。
春夏を通じて初めて準々決勝に進出したことについては「これからまだまだ勉強中のチームなので、ここからまた勢いをつけてやっていきたい。まずは心身共に整えて頑張っていきたい」と話していました。

颯佐心汰選手「いい結果になってよかった」

颯佐心汰選手は、3回の追加点となるタイムリーヒットについて「自分の意識として内野の間を抜いていくことを考えていて、追加点が欲しかったのでいい結果になってよかったです。チームとしてファーストストライクから打っていく積極性が結果につながっていると思います」と話していました。
リリーフとしてマウンドにあがり、8回、9回とピンチの場面を1点差で逃げきったことについては「キャッチャーの飯山からも『気持ちだよ』とずっと言われていたので、相手の勢いはありましたが、気持ちは折らさずに腕を振りました」と振り返っていました。

水嶋悠選手「低めに変化球が来たので打つことできた」

水嶋悠選手は、追加点となる4回のタイムリーヒットについて「インコース低めの変化球を打ちました。ストレートをねらっていましたが、低めに変化球が来たので右中間にライナーを打つことができました」と振り返っていました。
チームとして積極的な走塁が目立ったことについては「練習から走塁はしっかりやっているので、甲子園でも次の塁をねらえているのですごくいいかなと思います」と話していました。

◇持ち味の“走力”発揮した中央学院 次は初の準々決勝

去年秋の公式戦13試合で42個の盗塁をマークするなど、走力が持ち味の中央学院。この試合では序盤から、その持ち味を遺憾なく発揮しました。

1回、最初のヒットで出たランナーが早速、盗塁に成功。続く2回にも、盗塁を1つ決めて相手の守備を揺さぶり、先制点につなげました。

さらに3回、2アウト一塁二塁の場面。二塁ランナーの水嶋悠選手は、去年秋にチーム最多の12盗塁をマークした俊足の持ち主です。ここで5番の颯佐心汰選手のライトへ抜ける当たりで、水嶋選手は迷うことなく三塁を回ってホームに返りました。

積極的な走塁は相手のミスも誘い、中継プレーで送球がそれる間に一塁ランナーもホームに返りました。

続く4回にも、内野ゴロの間に三塁ランナーがホームをねらうなど、次の塁を目指す積極的な走塁で相手にプレッシャーを与え続けました。

対戦相手の宇治山田商業の村田治樹監督は「足を使ってくる攻撃が予想された中で、押されてしまった。チームを落ち着かせることができなかった」と敗因を口にしました。

中央学院は、1年生の時から走塁面を徹底して鍛え、毎日のシートノックの練習では、必ずランナーを置いて実戦を意識してきたといいます。

水嶋選手は「積極的な走塁を自分たちはねらっているので、いい走塁だったと思います。練習から走塁はしっかりやっているので、甲子園でも次の塁がねらえているので、すごくいいかなと思います」と練習の成果に胸を張りました。

「勇気を持って仕掛けられた。ああいう野球を目指しているので、ナイスチャレンジだと思います」と相馬幸樹監督。

甲子園の大舞台で持ち味を存分に発揮した中央学院。次は、初めての準々決勝に臨みます。

《宇治山田商 監督・選手談話》

村田治樹監督「私の力不足」

宇治山田商業の村田治樹監督は「悔しいですが、序盤に選手たちを落ち着かせてあげられなかった私の力不足だと思っている。相手の動きは予想できたけど、押されてしまった」と振り返りました。
また、8回にダブルスチールが成功し1点差に迫った場面について「こっちがやると、相手に予想されていた中で、三塁ランナーがよく突っ込んでくれた。あそこでよく走ってくれたと思う」と選手をねぎらいました。
そして、大会を振り返り「いろんな選手が甲子園の舞台を経験できてよかった。夏に戻ってくるために、精神面と技術面でしっかり力をつけたい」と話していました。

伊藤大惺主将「夏に戻ってきてリベンジしたい」

キャプテン、伊藤大惺選手は「すばらしい舞台で野球ができたことへの感謝が大きいです。勝ち切れなかったことは悔しいですが、夏に戻ってきてリベンジしたいです」と落ち着いた表情で振り返りました。
また、終盤で1点差にまで詰め寄った攻撃について「監督が『どんな点差でもいいから、自分たちがここまでやってきた野球を出そう』と言ってくれました。そのことばで割り切って積極的な野球ができた結果だと思います」と話しました。
そして、夏に向けては「センバツでもう少し勝ち上がりたかったですが、この負けた借りを絶対に夏返しに来たいです。甲子園に戻ってくることを目標に頑張ります」と力強く話しました。

阪口諒真選手「勝負どころで打てるような選手に」

6回にタイムリーヒットを打った宇治山田商業の阪口諒真選手は「楽な気持ちで思い切ったバッティングができた結果でした。ランナーの小泉選手の隙をついた走塁のおかげでした」と試合を振り返りました。
また、体調不良で出場できなかった1回戦について「本当に悔しかったんですが、チームが『山商らしい』野球をしてくれて勝ってくれてありがたかったです。雨の順延のおかげで体調もよくなって出場できてよかったです」と話しました。
そして、夏に向けては「6番はチャンスで回ってくるので、打てるか、打てないかでチームの攻撃が大きく変わります。勝負どころで打てるような選手になれるように頑張りたいです」と成長を誓いました。