中国 アメリカのEV税制優遇策めぐりWTOに提訴 米中対立激化も

中国政府は、アメリカのバイデン政権が導入したEV=電気自動車などの税制優遇措置は公正な競争をゆがめているとして、WTO=世界貿易機関に提訴したと明らかにしました。

米中で先端技術をめぐる対立が一段と激しくなる可能性があります。

アメリカのバイデン政権は、おととし成立したインフレ抑制法に基づいて、EVなどの税制優遇措置を導入しましたが、優遇措置の対象を北米で最終的に組み立てられた車両としています。

また、EVなどに使われる電池の材料や原料の調達先にも要件があり、サプライチェーンから中国企業を排除するねらいもあると指摘されています。

この優遇措置について中国商務省は26日夜、中国などの製品を排除し公正な競争をゆがめているとして、WTO=世界貿易機関に提訴したことを明らかにしました。

中国商務省は「アメリカの措置は世界のサプライチェーンを深く混乱させるもので、WTOルールに違反しており、断固反対する」とコメントしています。

アメリカと中国の間では半導体などの先端技術をめぐる争いが続いていて、今回の提訴によって対立が一段と激しくなる可能性があります。