難民や移民 死者や不明者が世界で8500人超 過去10年で最多

ほかの国への移住を目指す途中で命を落としたり、行方不明になったりした難民や移民の数が去年、世界で8500人を超え、この10年で最多となりました。

これは国連の関連機関、IOM=国際移住機関が26日に発表したものです。

それによりますと、去年ほかの国への移住を目指す途中でボートが転覆するなどして、命を落としたり行方不明になったりした難民や移民の数は、少なくとも8542人にのぼるということです。

これは、おととしの7141人と比べておよそ2割増えたほか、2014年に統計を取り始めてから、この10年間で最も多くなったということです。

死亡や行方不明の原因は船の事故などによって溺れてしまうケースが最も多く、とりわけ北アフリカから地中海を渡ってイタリアを目指すなかで多くの事故が発生していると指摘しています。

一方、ヨーロッパでは近年、難民申請者の数が増え、去年は2015年の難民危機当時の水準に近い100万人を超えたことから、各国では受け入れに対する警戒感も広がっています。

IOMは難民などが安全に避難できる仕組み作りや、海上での救助活動などで各国が協力するよう呼びかけています。