台湾 小型艦「空母キラー」量産急ぐ 新たに2隻海軍に引き渡し

中国の軍事的な圧力を受ける台湾の当局は、「空母キラー」と呼ばれる小型艦の量産を急いでいて、26日当初の計画より大幅に早く新たに2隻が海軍に引き渡されました。

この小型艦は台湾の造船会社が建造し、量産型の1隻目が2021年9月に就役しました。

中国軍の艦艇や航空機が台湾周辺での活動を活発化させているのを受け、台湾当局はおととしから5か年の特別予算を編成してこの小型艦の量産を急いでいて、26日当初の計画より20か月前倒しして、5隻目と6隻目が新たに海軍に引き渡されました。

船体は高速で安定して航行できるよう双胴型になっていて、敵のレーダーに探知されにくいステルス性を備え、対艦ミサイルと対空ミサイルを装備し、台湾メディアは「空母キラー」と呼んでいます。

太平洋に面した宜蘭県の港で行われた引き渡し式で、蔡英文総統は量産の第1段階の建造が完了したことを評価し「この艦の優れた性能は国際的に認められている。これまでの成果は台湾の艦艇の建造能力と民主主義や自由を守る決意の証しだ」と述べました。

台湾当局は、圧倒的な軍事力をもつ中国を機動性のある装備で抑止する「非対称戦」という戦略を掲げていて、同じ艦の量産の第2段階として再来年までにさらに5隻建造する計画です。