イスラエル軍 ガザ地区南部 2つの病院を包囲か

パレスチナ赤新月社はガザ地区南部にある2つの病院がイスラエル軍に包囲され危険にさらされていると窮状を訴えています。一方、戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉をめぐり、イスラム組織ハマスの幹部は双方の立場になお隔たりがあるという認識を示しており、交渉が進展するかが焦点です。

ガザ地区各地で軍事作戦を続けるイスラエル軍は24日、地区最大のシファ病院でおよそ480人の戦闘員を拘束したと発表しました。

これに対して、パレスチナ赤新月社は24日、SNSで南部ハンユニスにあるナセル病院とアマル病院について「激しい砲撃と銃撃の中、イスラエル軍の車両に包囲され、スタッフたちは身動きが取れず危険にさらされている」として窮状を訴えています。

こうした中、国連のグテーレス事務総長は24日、訪問先のエジプトで、シシ大統領らと会談しました。その後の記者会見でグテーレス事務総長は「イスラエルは残された障害を取り除く必要がある」と述べ、イスラエル側により多くの物資をガザ地区に運び込めるよう対応を求めました。

一方、戦闘の休止と人質の解放に向けて中東カタールで行われている交渉について、イスラエルメディアは、当局者の話として、ハマスが解放する人質1人に対してイスラエルが釈放する収監中のパレスチナ人の人数の条件について柔軟に対応したと伝えています。

これに対してハマスの幹部は24日、アラブメディアに対して「イスラエルは停戦や避難民の帰還を認めていない」として、双方の立場になお隔たりがあるという認識を示しており、交渉が進展するかが焦点です。