コンサートホールで銃撃 米 “ロシア側に事前に情報伝えた”

ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで22日夜、何者かが銃撃を行い建物で火災が発生したことを受けて、アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議のワトソン報道官は22日「今月初め、アメリカ政府は、モスクワで、コンサートを含む大規模な集会が標的となる可能性のあるテロ攻撃が計画されているという情報を入手した」とSNSに投稿し、その情報をもとに国務省がロシア国内のアメリカ国民に対し注意を呼びかけたとしています。

そのうえで「アメリカ政府は長年の『警告義務』にしたがってロシア当局にもこの情報を共有した」として、ロシア側に事前に情報を伝えていたことを明らかにしました。

今月7日 在ロシア米大使館が注意呼びかけ

今月7日、在ロシアアメリカ大使館は、アメリカの国民に対し、「過激派が、モスクワでコンサートなどの大規模な集会を標的にする差し迫った計画があるとの報告がある」として、7日からおよそ2日間にわたって大規模な集会への参加を避けるよう注意を呼びかけていました。

また、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは、アメリカの当局者の話として注意の呼びかけは、「ISIS-K」と呼ばれる組織が、ロシア国内で活動している可能性があったためだと伝えています。

ISIS-Kは、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織で、アフガニスタンやパキスタン、それにイランで活動していたとしています。

一方、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は22日、記者会見で「今回の攻撃について事前に情報を把握していたとは私は認識していない。大使館の呼びかけは今回の特定の攻撃とは関連していない」と述べました。