キャサリン妃 がんで治療中とビデオメッセージで公表

イギリス王室はウィリアム皇太子の妻、キャサリン妃ががんと診断され治療を行っていると発表しました。詳しい病状などは明らかにしていませんが、当面の間は治療に専念するとしています。

イギリス王室は22日、日本時間の23日未明、キャサリン妃のビデオメッセージを公開しました。

その中で、ことし1月、ロンドン市内の病院で腹部の手術を受けた当時はがんではないとされていましたが、その後の検査でがんが見つかったとしています。

進行の程度など詳しい病状は明らかにしていません。

キャサリン妃は、医療チームによって化学療法をすすめられ、現在は「治療の初期段階にある」としています。

そして「私は大丈夫です。心も体も治療に集中することで日々強くなっています。治療が終わるまでの間、家族との時間や、プライバシーが必要です。今は完全に回復することに集中しなければなりません」とした上で、「どんな形であれ、この病気に直面している皆さんは、どうか希望を失わないでください。あなたはひとりではありません」と述べ同じようにがんに直面している人たちを気遣いました。

42歳のキャサリン妃は国民の間で高い人気を誇っていますが、手術を受けて以降は公の場に姿を見せず、その健康状態に関心が寄せられていました。

ロンドン キャサリン妃を気づかう声

キャサリン妃ががんと診断され治療を受けていると発表されたことについて、ロンドンでは、キャサリン妃を気づかう声が聞かれました。

このうち、子どもをベビーカーに乗せて歩いていた30代の女性は「キャサリン妃がかわいそうです。彼女はとても若いし、子どもたちもまだ小さい。一刻も早い回復を願っています」と話していました。

また、イギリスに長年住んでいるという男性は「ニュースでは病状があいまいだったので、キャサリン妃に何が起こっているのかみんなが気になっていますが、誰にも答えはありません。正直に言ってとても悲しいニュースです。彼女が早く回復することを願っています」と話していました。

キャサリン妃 国民の間で高い人気

キャサリン妃はイギリス南部バークシャー出身の42歳です。

ウィリアム皇太子とは、2001年にスコットランド地方の名門セントアンドリュース大学で知り合い、2011年にロンドン中心部のウェストミンスター寺院で結婚式をあげました。

当日は祝日となり、長い歴史を持つイギリス王室に一般家庭出身の女性が入るのは異例だったこともあり、沿道にはおよそ100万人が集まって祝福しました。

ウィリアム皇太子との間には長男ジョージ王子、長女シャーロット王女、次男ルイ王子の3人の子どもがいます。

キャサリン妃は、その気さくな人柄などから国民の間で高い人気を誇り、交通事故のため36歳で亡くなったウィリアム皇太子の母親、ダイアナ元皇太子妃と重ね合わせる人もいます。

大手調査会社「ユーガブ」が2月、行った世論調査で、キャサリン妃について「好意的な意見を持っている」と回答した人は全体の74%と、ウィリアム皇太子の77%に次いで王室のメンバーで2番目に高く、チャールズ国王を上回りました。

ことし1月に腹部の手術を受けたことが発表されると、その病状をめぐってメディアなどでさまざまな臆測を呼び、入院していた病院で、スタッフがキャサリン妃の個人情報を閲覧しようとしたとして調査が進められていると、3月、大衆紙が報じていました。

米ホワイトハウス報道官「完全な回復を祈っている」

アメリカ・ホワイトハウスのジャンピエール報道官は22日、記者会見で「つらいニュースだ。私たちは困難な時期にあるキャサリン妃と家族、そして友人たちに思いを寄せている。完全な回復を祈っている」と述べました。