【詳細】ガザ地区 “死者 3万2000人超える”

イスラエル軍の攻撃が続くガザ地区の保健当局は、これまでの死者が3万2000人を超えたと発表しました。

一方、イスラエルとイスラム組織ハマスの間の戦闘休止に向けた交渉をめぐりイスラエル側は、交渉団を再び中東カタールに派遣し協議にあたるとしていて、進展が得られるか注目されます。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間3月23日の動きを随時更新してお伝えします。

ガザ地区 “死者 3万2000人超える“

イスラエル軍はガザ地区各地での軍事作戦を続けていて、このうち、ガザ地区最大のシファ病院では、今月18日以降、170人以上の戦闘員を殺害し、およそ800人を尋問したと23日、SNSで発表しました。

これに対し、ハマス側は、イスラエル軍が医療チームや病院に身を寄せている人に対し、拷問や処刑をすると脅迫していると訴え、イスラエル軍を強く非難しました。

ガザ地区の保健当局は22日、これまでの死者が3万2070人になったと発表しました。

また、壊れた建物の中や路上に多数の犠牲者が取り残されているものの救助に向かえないとしています。

こうした中、イスラエル首相府は情報機関モサドの長官をトップとする交渉団を中東カタールへ派遣し、アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官や、仲介役のエジプト、カタールと人質の解放などに向けて協議にあたるとしています。

交渉が再開され、戦闘休止に向けて進展が得られるか注目されます。

イスラエル高官米派遣へ “ラファ地上作戦 代替案共有”米高官

イスラエル軍によるガザ地区南部のラファへの地上作戦をめぐり、アメリカ政府の高官は数日中にイスラエルの高官がワシントンに派遣されるとの見通しを示した上で、アメリカ側から大規模な作戦に代わる計画を提示する考えを示しました。

アメリカのバイデン大統領は今月18日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、ガザ地区南部で150万人近くが身を寄せるラファへの地上作戦の実施に深い懸念を伝え、イスラエル軍の高官などからなるチームをワシントンに派遣するよう要請しました。

これについてホワイトハウスのカービー大統領補佐官は22日、記者会見で数日中にイスラエルの高官が派遣されるとの見通しを示しました。

その上で「われわれは大規模な地上作戦を行わずに、ラファでハマスの脅威を排除する方法について、いくつかの代替案を彼らと共有する」と述べ、アメリカ側から大規模な作戦に代わる計画を提示する考えを示しました。

また、ブリンケン国務長官は訪問先のイスラエルで22日、「人道的、軍事的、そして政治的な分野を包括した計画をもとにどのようにすれば目標を達成することができるか専門のチームで詳細に協議することが重要だ」と述べ、アメリカ側が示す計画についてイスラエル側からも意見を聞くなどして具体的に検討する考えを示しました。

イスラエル首相 ラファへの地上作戦に強気姿勢

アメリカのブリンケン国務長官は22日、イスラエルでネタニヤフ首相や戦時内閣の閣僚と会談しました。

会談のあと、ブリンケン長官は記者団に対し、イスラエルとイスラム組織ハマスの間の戦闘休止に向けた交渉について「ここ数週間で交渉に進展はみられ、双方の差は埋まりつつあるが、最後の項目が最も難しいものになりがちだ」と述べ、課題が残っているという認識を示しました。

また、会談ではガザ地区南部のラファへの大規模な地上作戦についても意見が交わされ、ブリンケン長官は「地上作戦はさらに多くの民間人が犠牲になり、人道支援に混乱をもたらし、イスラエルを国際社会からより孤立させるおそれもある」と述べ、イスラエル側に作戦に代わる計画を検討するよう改めて求めました。

しかし、ネタニヤフ首相は会談後に発表したビデオ声明で、「アメリカの支援を得て、ラファでハマスを打倒できることを望んでいるが、必要なら自分たちだけでやるだろうとブリンケン長官に伝えた」と述べ、強気な姿勢を崩していません。

来週にはイスラエルの高官からなるチームがアメリカの首都ワシントンに派遣され、協議が続く予定で、ラファでの大規模な地上作戦を回避できるかが焦点となっています。