ロシア大規模攻撃 ウクライナのインフラ被害 100万戸超で停電

ロシア軍は22日、ミサイルや無人機による大規模な攻撃を行い、ウクライナ各地で発電所などエネルギーインフラ施設の被害が相次ぎ、全土で少なくとも100万戸の停電が起き、各地で復旧作業が行われています。

ロシア側はウクライナの越境攻撃に対する報復だと主張しています。

ウクライナ空軍は22日、ロシア軍が、ウクライナ各地でミサイルや無人機であわせて151の攻撃を行い、このうち、37発のミサイルと55機の無人機については迎撃したと発表しました。

この攻撃で南部ザポリージャ州ではザポリージャ原子力発電所の送電線が1本遮断されたということですが、原発を監視しているIAEA=国際原子力機関は原発への電力供給は続いているとしています。

また、ドニプロ川にある水力発電所では施設で火災が起きるなど被害が出たということです。

ウクライナ国家警察によりますと西部フメリニツキー州で2人が死亡、ザポリージャ州では9歳の女の子を含む3人が死亡し、全土であわせて5人が死亡したということです。

また、ウクライナ大統領府のクレバ副長官は全土で少なくとも100万戸が停電する影響が出たと明らかにし各地で復旧作業が行われています。

これについて、ロシア国防省はウクライナのエネルギー施設などを標的に大規模攻撃を行ったとしたうえで「ロシア領への砲撃や占領しようとする試みに対抗し極超音速ミサイル、『キンジャール』などで49回、攻撃を実施した」としていて、ウクライナ側がロシア西部ベルゴロド州などで行っている越境攻撃への報復だと主張しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は22日に公開されたロシアメディアのインタビューでロシア軍はウクライナ東部と南部の4つの州の全域掌握を目指していると強調しました。

そのうえで「特別軍事作戦として始まったが欧米がウクライナ側に加わったため、われわれにとってすでに戦争となった」と述べ軍事侵攻を続ける姿勢を一段と強めています。