東京交響楽団がタイで演奏会 東南アジアでクラシックファンを

日本を代表するオーケストラの1つ、東京交響楽団が東南アジアで音楽を通じた交流を行うプロジェクトを展開することになり、タイのバンコクで特別演奏会を開きました。

東京交響楽団は、経済成長が続く東南アジアでクラシックファンを増やすことなどを目的に「アジア・プロジェクト」と題した交流事業をタイを拠点に行うことなりました。

バンコク市内で、22日夜、開かれた演奏会では、国内外で活躍する大友直人さんが指揮者を務め、クラシックの名曲を次々と演奏しました。

このうち、シベリウスの「バイオリン協奏曲」では、昭和を代表する作曲家、服部良一さんのひ孫で、新進気鋭のバイオリニスト、服部百音さんも登場し、オーケストラと共に美しい音色を奏でました。

会場に詰めかけたおよそ1600人の観客はオーケストラや服部さんの熱演に盛んな拍手を送っていました。

東京交響楽団は2月、タイの交響楽団や大学との協力協定を結んでいて、今後、合同演奏会や地元の音楽家の育成に取り組んでいくということです。

東京交響楽団の廣岡克隆楽団長は「アジアの地域に根ざして教育にも携わり、文化的な交流を通してアジア全体の音楽のレベルを上げていきたい。文化は違っても音楽を通した結びつきができればすばらしいと思う」と話していました。