ウクライナ エネルギー施設に被害相次ぐ 全土で100万戸が停電

ロシア軍は22日、ウクライナの各地でミサイルや無人機による大規模な攻撃を行い、発電所などエネルギーインフラ施設の被害が相次ぎました。ウクライナ大統領府は、全土で少なくとも100万戸が停電する影響が出ているとしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシア軍がおよそ90発のミサイルと60機以上の無人機でウクライナ全土に大規模な攻撃を行い、各地のエネルギーインフラ施設などで被害が出ているとSNSで明らかにしました。

ウクライナ空軍は、ロシア軍の37発のミサイルと55機の無人機については迎撃したとしていて、ロシア軍が極超音速ミサイルだとするキンジャールや弾道ミサイル、巡航ミサイルなど複数のミサイルで攻撃したとしています。

ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相によりますと、南部ザポリージャ州ではザポリージャ原子力発電所で発電所に電力を供給する送電線が1本、遮断されたということです。

ザポリージャ原発を監視しているIAEA=国際原子力機関は「メインの送電線は遮断されたが、バックアップの送電線は機能している」としていて、原発への電力供給は続いているとしています。

また、ドニプロ川にある水力発電所が攻撃され、施設で火災が起きるなど被害が出ているということです。

攻撃は東部や西部にも及び、大統領府のクレバ副長官は西部フメリニツキー州で2人、ザポリージャ州で1人の合わせて3人が死亡し、13人がけがをしたとしています。

また、東部ハルキウ州で70万戸、南部オデーサ州で20万戸が停電するなど、全土で少なくとも100万戸が停電する影響が出ていると明らかにしました。

ハルシチェンコ・エネルギー相は、エネルギーのインフラ施設に対する「最大規模の攻撃だ」としたうえで、「目的は単純に損害を与えることではなく、エネルギーシステムに大規模な障害を引き起こすことだ」と非難しています。

ウクライナでは前日の21日に、ロシア軍が首都キーウなどで30発以上のミサイルによる大規模な攻撃を行ったばかりで、連日、空からの攻撃を強めています。