連合と中小企業経営者団体 人件費 上昇分の価格転嫁で連携確認

高い水準の賃上げ回答が相次いでいることしの春闘で、中小企業まで賃上げの流れを波及させようと連合と中小企業の経営者団体が懇談会を開き、人件費などの上昇分の価格転嫁に向けて連携して取り組むことを確認しました。

ことしの春闘は大手企業を中心に満額などの回答が相次ぎ、連合の先週の集計で平均の賃上げ率は1991年以来、33年ぶりに5%を越える高い水準となっています。

多くの中小企業ではこれから交渉が本格化する予定で、22日は連合と中小企業の経営者でつくる全国中小企業団体中央会が意見を交換しました。

この中で連合の芳野会長は「日本全体の賃金を引き上げていけるかは、雇用労働者の7割を占める中小企業で十分な賃上げができるかにかかっていて、人件費や原材料費の上昇分などを適正に価格転嫁できることが重要だ」と述べました。

これに対し、全国中小企業団体中央会の森会長は「政労使が一体となって価格転嫁の取り組みを推進していくとともに、値上げに対する国民全体の理解と機運作りが重要だ」と述べました。

その後、中小企業の代表からは人件費の価格転嫁について取引先の理解が進まず、賃上げの原資を確保するのが難しい実態が紹介され、今後も取引先に価格転嫁の重要性を訴え、連携して環境整備に取り組むことを確認しました。