イニエスタ選手など外国人選手3人に申告漏れ指摘 大阪国税局

サッカーの元スペイン代表でJ1のヴィッセル神戸に所属していたアンドレス・イニエスタ選手など外国人選手3人が、大阪国税局から契約金などについて、合わせて21億円余りの申告漏れを指摘されていたことが、関係者への取材でわかりました。家族を帯同させるなど日本に生活拠点があると判断され、外国人選手でも確定申告が必要だと指摘されたということです。

指摘を受けたのは、サッカーJ1のヴィッセル神戸に所属していたアンドレス・イニエスタ選手のほか、元韓国代表でセレッソ大阪のキム・ジンヒョン選手、それに名古屋グランパスのパトリック選手の3人です。

国税庁によりますと、外国人選手の場合、所得税法では、日本の「居住者」と「非居住者」に区分され、契約が1年未満で家族を帯同していないなどの場合は「非居住者」として、確定申告が必要な「居住者」より税金の負担が軽くなります。

関係者によりますと、イニエスタ選手は2018年7月から去年7月までヴィッセル神戸に所属し、このうち、1年未満の契約だった2018年分の契約金などについて、およそ8億6000万円の申告漏れを指摘されたということです。

家族と同居していたことや、実質的に複数年契約とみなされたことなどから、「非居住者」ではなく「居住者」だと判断されたとみられ、およそ5億8000万円を追徴課税されたということです。

同様に家族の同居などを理由に指摘を受けたとみられるキム選手の追徴課税の額は、2020年までの5年間の契約金など7億円余りについて、およそ2億2000万円。

また、パトリック選手の追徴課税の額は、サンフレッチェ広島とガンバ大阪に所属していた2021年までの5年間の契約金など6億円余りについて、およそ2億1000万円だということです。

ヴィッセル神戸「個人の契約に関わるので答えられない」

イニエスタ選手が所属していたヴィッセル神戸は「選手個人の契約に関わるのでお答えすることはできません」とコメントしています。

セレッソ大阪「個人情報に関わること コメントできず」

キム・ジンヒョン選手が所属するセレッソ大阪は「契約情報は個人情報に関わることなのでコメントできません」と話しています。

名古屋グランパス「コメントは差し控えます」

名古屋グランパスは「個人の契約に関わることなのでクラブとしてコメントは差し控えます」としています。

Jリーグ「適切な税務対応を呼びかけていく」

Jリーグは「個別の事案について、基本的には各個人で対応することであり、リーグがコメントする立場にはないが、一部、税務申告に対して見解の相違があったことは聞いている。本件に関わらず適切な税務対応を引き続き、呼びかけていく」とコメントしています。