キーウなどにミサイル攻撃 ゼレンスキー大統領は軍事支援訴え

ウクライナでは首都キーウなどにロシア軍の大規模なミサイル攻撃があり、13人がけがをしました。ゼレンスキー大統領は攻撃を非難するとともに、防空システムなどさらなる軍事支援が必要だと訴えました。

ロシア国防省は21日、極超音速ミサイルだとするキンジャールを含むミサイルでウクライナ軍の補給拠点などを攻撃し、すべて命中したと主張しました。

これに対してウクライナ軍は、ロシア軍が発射した31発のミサイルをいずれも迎撃したと発表しました。

ただウクライナの国家非常事態庁によりますと、首都キーウでは落下したミサイルの破片などによって子どもを含む13人がけがをしました。

このうち少なくとも6人がけがをした住宅街では、落下したミサイルの一部によって交差点の真ん中に直径5メートルほどの穴があき、周りにある集合住宅のほとんどの窓が窓枠ごと吹き飛んでいました。

ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSで「毎日、毎晩、こうした恐怖がある」と、攻撃を非難しました。

その上で「ロシアのテロリストは、パトリオットなどを回避できるミサイルは持っていない。ウクライナはこうした防御を必要としている」と述べ、地対空ミサイルシステム「パトリオット」をはじめとしたさらなる軍事支援が必要だと訴えました。

ロシア人義勇兵

ウクライナ側に立ってプーチン政権と戦っているロシア人義勇兵の組織が21日、ウクライナの首都キーウで会見し、今後ロシア国内に向けてさらに攻撃を続けていく方針を示しました。

会見を行ったのは、ロシア西部ベルゴロド州などへ越境攻撃を続けている「シベリア大隊」や「自由ロシア軍」などロシア人義勇兵の3つの組織の代表です。

この中で「シベリア大隊」の代表は「われわれは、まもなくほかの都市へ進む。各国にいるロシア人などに参加を呼びかける」と述べ、ロシア国内に向けてさらに攻撃を続けていく考えを示しました。

その上で「われわれには、ウクライナ兵と同じ権利と義務が与えられている」と述べ、ウクライナ側から武器の供与を受けていることを明らかにしました。

ロシア人義勇兵の組織をめぐってはウクライナ国防省のブダノフ情報総局長が21日、地元メディアに対し「われわれは支援し、助言している」と述べ、ウクライナ側と連携していることを認めています。

一方、ロシアのプーチン大統領は「裏切り者はどこにいても罰せられる」と述べ、国境の防衛を強化するよう治安当局に指示していて、国境付近の攻防がいっそう激しくなる可能性があります。