スイス 中央銀行が9年ぶりの利下げ発表 0.25%引き下げ1.5%に

スイスの中央銀行は政策金利を0.25%引き下げて1.5%にすると発表しました。利下げは9年ぶりで、インフレは低下傾向にあるとして、ほかの中央銀行に先駆けて金利の引き下げに踏み切った形です。

スイスの中央銀行「スイス国立銀行」は21日、現在1.75%となっている政策金利を0.25%引き下げ、1.5%にすると発表しました。

利下げは2015年以来、9年ぶりです。

発表によりますと、スイスの2月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて1.2%の上昇で、インフレは低下傾向にあり、物価は安定しているとしています。

また、今後数年間は、物価の上昇率が2%を下回ると予測し、「インフレとの戦いが効果的だったため、金融緩和が可能になった」としています。

そのうえで、「引き続きインフレ率の動向を注意深くみて、必要に応じて金融政策を再調整する」とし、物価動向を踏まえた柔軟な政策判断をする方針を示しています。

スイスの中央銀行は、2022年6月にインフレの抑制に向けて、およそ15年ぶりに政策金利を引き上げ、同じ年の9月にマイナス金利を解除したあとも利上げを続け、現在の金利水準を維持していました。

欧米のほかの主要な中央銀行が利下げのタイミングを探りながらも、根強いインフレを踏まえて金融引き締めを続ける中、スイスの中央銀行は、いち早く利下げに踏み切った形です。