政治資金問題 野党側 安倍派幹部6人の証人喚問申し入れ

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、野党側は21日、衆議院予算委員会の理事懇談会で、安倍派の幹部ら6人の証人喚問を行うよう申し入れました。これに対し自民党は、安倍派幹部はすでに政治倫理審査会で説明しており、慎重に対応すべきだと主張しました。

今回の問題で、衆議院政治倫理審査会では、岸田総理大臣と安倍派などの幹部を務めた議員による弁明と質疑が行われましたが、立憲民主党など野党側は実態の解明につながらなかったと批判しています。

このため野党側は、21日に開かれた衆議院予算委員会の理事懇談会で、塩谷元文部科学大臣ら審査会で弁明した安倍派の5人と、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で起訴され自民党から除名された議員の合わせて6人の証人喚問を行うよう申し入れました。

これに対し自民党は、安倍派幹部はすでに審査会で説明しており慎重に対応すべきだと主張し、小野寺委員長は与野党の協議を踏まえ判断する考えを示しました。

一方、衆議院政治倫理審査会の幹事懇談会では、野党側が求めているにもかかわらず審査会で説明していない安倍派と二階派の45人の議員について、出席を求めて開催の申し立てを行うため、自民・公明両党に協力を求めました。

これに対し自民・公明両党は、審査会の開催は本人の申し出が基本だと主張し、引き続き協議することになりました。

自民 加藤前厚生労働相「現時点で慎重に考えるべき」

衆議院予算委員会で与党側の筆頭理事を務める自民党の加藤前厚生労働大臣は記者団に対し「国民に政治倫理審査会などでの説明に納得できていないという声があることは十分承知しているが、党から除名された議員以外は審査会ですでに説明している。また検察は派閥の会計処理の内容を幹部が把握していたことは確認できていないと明確にしている。大変重たい証人喚問は現時点で慎重に考えるべきだ」と述べました。

立民 山井和則氏「国民の立場で証人喚問賛成を」

衆議院予算委員会で、野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の山井和則氏は記者団に対し「もし証人喚問に自民党が反対するのであれば、党ぐるみで真相究明を妨げているということだ。安倍派の幹部の肩を持つのではなく、しっかりと国民の立場に立って真相究明のための証人喚問に賛成してもらいたい」と述べました。

立民 長妻政調会長「自民党はきちんと対応を」

立憲民主党の長妻政務調査会長は党の会合で「参議院では、新たに安倍派の事務局長も含めて4人、衆議院では6人と、合わせて10人の証人喚問を要求しているので、最低限、出てきてもらわなければ困る。過去の事件では、証人喚問で国会議員が出てきたケースは多々あり、真相が解明されていないという世論も大きい。自民党はきちんと対応してほしい」と述べました。