石川 珠洲 一部で断水解消も 自宅トイレが使えず不便続く人も

市内のほとんどの地域で依然として断水が続く石川県珠洲市では3月、一部の地域で断水が解消されましたが、排水を処理する浄化槽が地震で壊れて自宅のトイレが使えず、不便な状態が続いている人もいます。

珠洲市によりますと、市内のほとんどの地域で依然として断水が続いていますが、一部の地域で水道設備が復旧し、3月15日時点で全体のおよそ1割に当たる370戸で断水が解消されたということです。

このうち、珠洲市狼煙町に住む寺井一也さん(66)は、地区の断水が解消されたため3月上旬、避難先から自宅に戻りました。

しかし、水道は使える一方で、トイレの排水を処理する浄化槽が地震によって壊れたため、自宅のトイレが使えず歩いて5分ほどのところにある公共施設のトイレを利用しています。

寺井さんは自宅のトイレが流せることから戻ってからの数日間使っていましたが、業者の点検で浄化槽に亀裂があり、配管もずれていることがわかったということです。

全国浄化槽団体連合会によりますと、壊れたままの浄化槽を使い続けると生活排水が漏れて感染症が発生するなど衛生面に問題が出る場合があるということです。

寺井さんは「断水が解消されてやっと風呂やトイレに入れると思っていました。修理も工事業者の人が足りず早くできないようなので気が遠いです」と話していました。