高校野球 センバツ 青森山田が京都国際にサヨナラ勝ち

センバツ高校野球、大会4日目の第3試合は青森山田高校が京都国際高校に4対3のサヨナラで勝って2回戦に進みました。

青森山田は1回に2アウト二塁として4番の原田純希選手のタイムリーヒットで先制したほか、6番の伊藤英司選手がタイムリーヒットを打ってこの回2点を奪います。

その後1点差に迫られますが、5回には1アウト二塁として1番の佐藤隆樹選手のライト前へのタイムリーヒットで3対1とリードを広げました。

このあと、8回に同点に追いつかれますが、9回に1アウト三塁として6番の伊藤選手のレフト前へのタイムリーヒットで4対3のサヨナラで勝って2回戦に進出しました。

青森山田はセンバツ初勝利です。

先発の関浩一郎投手は持ち味の角度のあるストレートと緩急を使ったピッチングで8回108球を投げて3失点でマウンドを降りたほか、9回からは2人目の櫻田朔投手が1イニングを無失点で切り抜けました。

一方、京都国際は終盤8回にダブルスチールを決めるなどして同点に追いつきましたが、先発でエースの中崎琉生投手が、最後に粘り切れず敗れました。

《青森山田 選手・監督談話》

兜森崇朗 監督「選手がよく頑張ってくれた」

青森山田高校の兜森崇朗監督は「苦しい試合展開だったが、選手がよく頑張ってくれたと思います。春先の試合は非常に難しいので十分に準備はしてきたが、見事に勝ちきることができてよかったです」と試合を振り返りました。
また、1回に3打席連続のヒットなどで2点を取った攻撃については「初回の入りをこの1週間しっかり準備してきて、選手が応えてくれていい立ち上がりで試合に入ることができました」と話していました。
先発の関浩一郎投手については「本来の調子に比べるとよくない部分があったと思いますが、悪いなりにふんばりながら次のピッチャーにつないでくれたことは評価できる」とねぎらいました。

伊藤英司 選手「甲子園という舞台で打ててうれしかった」

サヨナラタイムリーヒットを打った青森山田の2年生の伊藤英司選手は「打ったのはストレートでコースは真ん中付近でした。サヨナラタイムリーヒットは自分の人生で初めてで、甲子園という舞台で打ててうれしかったです」と話していました。
そして、2回戦の試合に向けては「次の広陵高校もピッチャーがいいので、1点をまず取って守り切る試合をしたいです」と意気込んでいました。
また、チームメイトの2人が木製バットで打席に立ったことについて「先輩たちは力があって木製で対応できていて格好よくて憧れます。もっと力をつけて練習して自分も打てるようになりたいです」と話していました。

吉川勇大 選手「チームが勝ててとてもうれしい」

木製バットで打席に立ち、この試合2安打を打った青森山田の5番の吉川勇大選手は「冬の間木製バットを使って練習していたので、反発力を抑えた新たな基準の金属バットに移行しても木製でいこうという気持ちです。チームの勝利につながる一打を目標にしているので、チームが勝ててとてもうれしいです」と話していました。
そして「次の試合も勝利に向けて頑張っていきたいです」と力強く話していました。

《京都国際 選手・監督談話》

小牧憲継 監督「1球の大切さを感じた試合だった」

京都国際の小牧憲継監督は「1回に2点を先制されて流れを持っていかれたことが負けにつながった。エースでキャプテンの中崎投手の投球が勝負どころで真ん中に集まってしまった。全国の強豪と戦っていくために1球の大切さを感じた試合だった」と振り返りました。
また、青森山田について「関投手、櫻田投手がすばらしい球を投げていた。ピンチになってもギアを上げて投球できるのが全国トップクラスのレベルだと痛感した。私たちは夏の甲子園に向けて走攻守すべてにおいてレベルアップしていく必要がある」と話していました。

中崎琉生 投手「自分が抑えなければいけなかった」

先発ピッチャーとして登板し、キャプテンを務める京都国際の中崎琉生投手は「自分の気持ちが落ち着かず、1回から投球が甘いところに集まってしまったことが敗因です。途中で味方が同点に追いついてくれましたが、9回も打たれてしまいました。自分が抑えなければいけなかった」と悔しそうに振り返りました。
また、青森山田が木製バットを使用したことについて「相手の打者をつまらせようとインコース中心を意識して投球していましたが、その球が甘く入る場面が目立ち実力不足を痛感しました」と話していました。
そして、夏の甲子園に向けて「全国制覇を目指しているので、きょうの経験を忘れずに、コントロールや変化球の精度を高めてチームを引っ張っていけるように頑張ります」と気持ちを切り替えていました。

藤本陽毅 選手「夏につながる戦いだった」

8回に同点に追いつくホームスチールを決めた京都国際の藤本陽毅選手は「青森山田の投手のレベルが高く接戦が予想されたので、小技を絡めてどんな形でも点を取りにいくことを意識していました。ねらった形で得点できたので試合には負けましたが、夏につながる戦いでした」と振り返りました。
また、夏の甲子園に向けて「ミスを少なくして当たり前のことができれば試合は勝てると思います。中崎投手だけでなく、チーム全員で技術を上げてもっと強くなっていきます」と気持ちを高めていました。