千葉 母殺害遺棄裁判 1審差し戻し“殺人有罪難しい” 東京高裁

母親を殺害して遺体を千葉県の九十九里浜の周辺に遺棄した罪などに問われ、1審で懲役17年の判決を言い渡された被告について、2審の東京高等裁判所は「今の証拠では殺人の罪で有罪と認めるのは難しい」として、1審の判決を取り消し、審理をやり直すよう命じました。

千葉県八街市の無職、山田基裕被告(43)は、6年前の9月に同居していた母親の容子さん(当時75)の首を圧迫して殺害したうえ、遺体を切断して九十九里浜の周辺に遺棄したとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われました。

裁判で被告は、遺体の遺棄などは認める一方、殺人については無罪を主張していましたが、1審の千葉地方裁判所は4年前に「被害者は首を絞められて死亡したと認められる」などとして、懲役17年の判決を言い渡しました。

21日の2審の裁判で、東京高等裁判所の石井俊和裁判長は「今の証拠では肺の脂肪塞栓症で死亡した可能性を否定できず、死因を窒息死とするのは合理的ではない。殺人の罪で有罪と認めるのは難しい」と指摘しました。

そのうえで、審理を尽くす必要があるとして、1審の判決を取り消し千葉地裁でやり直すよう命じました。