美容クリニック院長に約6億円を追徴課税 東京国税局

東京の美容クリニックの院長が、新型コロナの無料検査の事業で、東京都から受け取った補助金およそ10億円を、検査の委託先に支払わず、個人の所得にしていたと東京国税局から指摘され、およそ6億円を追徴課税されていたことが、関係者への取材でわかりました。

追徴課税を受けたのは東京 荒川区にある美容医療診療所、「スキンシアクリニック」の石山実穂 院長です。

関係者によりますと、石山院長は荒川区など都内3か所に新型コロナウイルスの検査所を設置し、無料で検査を行ったと東京都に申請を行って、およそ28億円の補助金を受給していました。

しかし本来は、検査の実務を委託していた事業者に支払うべきおよそ10億円のうち大半を院長の夫である男性医師が、検査と無関係の用途に使っていたことが、東京国税局の税務調査で明らかになったということです。

東京国税局はこのおよそ10億円について所得税の申告漏れとみなし、石山院長に対し、過少申告加算税を含め、およそ6億円を追徴課税したということです。

院長はすでに修正申告を済ませたということです。

東京都は、「個別の案件についてのコメントはしないが、これまでも補助金をめぐる不正があれば、返還命令などを出している」とした上で、今後、警察とも情報を共有しながら、対応を進める考えを示しました。