脳に機器で“考えるだけでマウス操作” マスク氏企業 動画公開

アメリカの起業家、イーロン・マスク氏のベンチャー企業は、臨床試験で小型の機器を脳に埋め込んだ患者が、「考えるだけで画面を操作している」とする動画を公開しました。

マスク氏が立ち上げたベンチャー企業「ニューラリンク」は、ことし、小型の機器を患者の脳に埋め込んで直接、コンピューターにつなぐ臨床試験を開始し、2月、マスク氏は「考えるだけでマウスを動かせるようになった」と明らかにしていました。

このときの発表をめぐっては、映像など客観的に事実を示すものがないとアメリカの一部のメディアが指摘していましたが、ニューラリンクは20日、「患者が考えるだけで画面を操作している」とする動画を公開しました。

動画には、8年前の事故で手や足がまひしているという患者が登場し、画面に表示されたカーソルがなめらかに動く様子や、画面上のチェスの駒が移動する様子が映っています。

この患者は「カーソルを動かすことをイメージして、直感的に理解できるようになった。今は画面を見つめるだけで、動かしたいところに動かすことができる。魔法使いみたいだ」と話していました。

アメリカではほかにも、医療ベンチャーが、脳内の血管にワイヤーを通して信号を読み取る装置を使った臨床試験を行い、1年にわたって問題なく意思疎通ができたとする結果を公表していて、こうした技術への関心が高まっています。