南シナ海「危機的状況」米インド太平洋軍司令官 中国をけん制

アメリカ・インド太平洋軍のトップ、アキリーノ司令官は、南シナ海で中国がフィリピンに対し、攻撃的で危険な行為を繰り返していて「危機的な状況だ」と懸念した上でアメリカの軍事的な対応につながる可能性があるとして、中国を強くけん制しました。

アメリカ・インド太平洋軍のトップ、アキリーノ司令官は20日、議会下院軍事委員会の公聴会に出席しました。

この中で、アキリーノ司令官は、3月5日、フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のセカンド・トーマス礁の周辺でフィリピン軍の船が中国海警局の船から放水銃を発射され、乗組員4人がけがをしたことを念頭に「危機的な状況で、悪い事態に陥るおそれがある。中国がわれわれの同盟国に攻撃的で危険な行為を繰り返していることは、懸念すべきことだ」と述べました。

その上で「もし、フィリピン軍の兵士が殺害された場合、相互防衛条約が適用される可能性がある。そうなれば、国防長官に選択肢を提示することが、私に求められている」と述べ、アメリカの軍事的な対応につながる可能性があるとして、中国を強くけん制しました。

中国が活動を活発化させる南シナ海をめぐっては、4月11日にワシントンで初めて行われる日本とアメリカ、フィリピンの3か国による首脳会談でも意見が交わされる見通しです。