ベトナム国家主席が辞任 1年余で交代相次ぐ異例の事態

ベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席は20日に開かれた、ベトナム共産党の臨時の会議で辞任する意向を示し、承認されました。去年1月に前任の国家主席が辞任していて、1年余りの間に、序列2位の国家主席の交代が相次ぐ異例の事態となっています。

ベトナム共産党は、ボー・バン・トゥオン国家主席が、国家主席や党の最高指導部である政治局員などを辞任する意向を表明し、20日に開かれた党の臨時の中央委員会総会で承認されたと発表しました。

理由について詳細は公表されていませんが、ベトナムの国営メディアは「党の規則に違反した」などと伝えていて、事実上の更迭とみられます。

ベトナムでは、最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長が、汚職の撲滅を掲げ、党幹部や政府高官らの摘発や処分を推し進めています。

去年1月には、新型コロナウイルス対応にまつわる汚職事件の責任を問われて、当時の国家主席が辞任したばかりで、党の序列2位で、国家元首と位置づけられている国家主席の交代が1年余りの間に相次ぐ異例の事態となっています。

トゥオン主席は、去年11月に日本を公式訪問して岸田総理大臣と会談し、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に引き上げることを確認したほか、日本の国会で演説し経済協力を柱としつつ、気候変動や人的交流、それに、中国を念頭にした海洋安全保障など幅広い分野で協力を強化していきたいと訴えていました。