大相撲春場所11日目 新入幕 尊富士が11連勝 大関 琴ノ若破る

大相撲春場所は11日目で終盤戦に入り、幕内でただ1人、勝ちっぱなしの新入幕、尊富士が新大関 琴ノ若を破りました。
これで初日からの連勝を「11」に伸ばし新入幕の記録としては昭和以降で最長に並びました。

春場所は10日目を終えて、
▽新入幕の24歳、尊富士が初日から10連勝として単独トップに立ち、
▽2敗で琴ノ若と23歳の大の里が追う展開となっていました。

11日目の20日、尊富士は初めての大関戦となる琴ノ若との一番に臨みました。

立ち合いのあと押し込まれた尊富士は、相手をいなしてすぐに右を差し込むとそのまま一気に寄り切って、初日からの連勝を11に伸ばしました。

新入幕の力士が初日から11連勝するのは64年前の初場所で昭和の大横綱 大鵬が成し遂げて以来の快挙で、昭和以降での最長記録に並びました。

また、大の里は結びの一番で3敗の大関・貴景勝と対戦し、立ち合いから一気に圧力をかけて「押し出し」で勝ち、2敗を守りました。

春場所は11日目を終えて、
▽全勝で尊富士が単独トップ、
▽2敗の大の里が星の差2つで追う展開となりました。

一方、大関・霧島は関脇 若元春に「寄り切り」で敗れて8敗目を喫して負け越しが決まり、次の夏場所では負け越せば大関から陥落する角番で臨むことが決まりました。

中入り後の勝敗

中入り後の勝敗です。

▽妙義龍に狼雅は狼雅が「寄り切り」。

▽錦富士に十両の欧勝馬は錦富士が「押し出し」。

▽一山本に美ノ海は一山本が「はたき込み」。

▽大奄美に琴勝峰は琴勝峰が「すくい投げ」で勝ちました。

▽北勝富士に遠藤は北勝富士が「突き落とし」。

▽佐田の海に高安は高安が「上手投げ」で勝ち越しました。

▽竜電に玉鷲は玉鷲が「寄り切り」。

▽金峰山に北の若は金峰山が「寄り切り」。

▽御嶽海に豪ノ山は豪ノ山が「突き出し」で勝ち越しました。

▽翠富士に正代は翠富士が「肩透かし」。

▽阿武咲に平戸海は平戸海が「突き落とし」。

▽再出場の翔猿に明生は翔猿が「寄り倒し」。

▽王鵬に朝乃山は朝乃山が「寄り切り」で勝ちました。

▽宇良に熱海富士は熱海富士が「つり出し」。

▽隆の勝に錦木は隆の勝が「寄り切り」。

▽阿炎に湘南乃海は阿炎が「押し出し」。

▽大栄翔に大関 豊昇龍は豊昇龍が「突き落とし」で勝ち越しました。

▽大関 霧島に若元春は若元春が「寄り切り」で勝ちました。
霧島は負け越して、夏場所は角番となります。

▽新入幕の尊富士に新大関 琴ノ若は尊富士が「寄り切り」で勝って初日から勝ちっぱなしの11連勝としました。
琴ノ若は3敗に後退しました。

▽角番の大関 貴景勝に大の里は大の里が「押し出し」で勝って2敗を守りました。

新入幕 尊富士「うれしい 流れがよかった」

新入幕の尊富士は、初めての大関戦となった琴ノ若との一番を制し、「うれしい。相手は大関なのでイメージどおりにはならないと思っていたが、流れがよかった。集中だけ切れないようにやっていた。皆さんの記憶に残るような相撲を取れればいい」と力強く話していました。

新入幕での初日からの連勝が、昭和の大横綱 大鵬が残した記録「11」に並んだことについては、「記録は気にしていなかったが、偉大な方に並んだことはうれしく思う」と笑顔で話しました。

一方、敗れた琴ノ若は「切り替える」とだけ短く話しました。

大の里「大関に勝てて先場所より成長を感じる」

大の里は、結びの一番で大関 貴景勝に勝って「きのうの反省を生かして迷いなく前に出ることだけを意識していた。いろいろと対策してそれができてよかった」と話していました。

大関戦初勝利となったことについては、「今場所は関脇、大関に勝てて、先場所より成長を感じる。貴景勝関はずっと見てきた力士なのでうれしい」と笑顔で話していました。

大関 豊昇龍は、関脇 大栄翔に勝って3敗を守り、「落ち着いて自分の相撲を取れた。一日一番、大事にして、しっかり最後までやっていきたい」と淡々と話していました。

尊富士が優勝なら 110年ぶりの記録

新入幕の力士が優勝すると、元関脇 両國が大正3年に優勝して以来、110年ぶりとなります。

また、初土俵から10場所目での初優勝は、今の年6場所制が定着した昭和33年以降、幕下や三段目の付け出しを除くと最も早い記録となります。

現在は平成4年初場所の貴花田、後の貴乃花と、平成14年九州場所の朝青龍の24場所目が最も早い記録で、2人はいずれもその後、横綱まで上り詰めています。

優勝制度ができた明治42年以降では両國の11場所目という最も早い記録をさらに1場所更新することになります。

そして、青森県出身力士の優勝は元大関 貴ノ浪が平成9年九州場所で優勝して以来、27年ぶりです。