断食月のインドネシア コメ価格高騰 屋台での料理値上げ相次ぐ

人口2億7000万を抱え世界で最も多くのイスラム教徒が暮らすとされるインドネシアは、日中の飲食を絶つ断食月に入っています。断食月の期間中、日没後に米を使った料理を食べるのが慣例となっていますが、国際的なコメの価格が高騰する中、屋台でのコメ料理の値上げが相次ぎ、市民生活の打撃となっています。

国民の8割以上がイスラム教徒のインドネシアでは先週から断食月のラマダンに入っていて、飲食が許される日没になると首都ジャカルタの屋台は食べ物を買い求めたり、食事を楽しむ人たちでにぎわいます。

インドネシアの主食はコメですが、コメの価格は異常気象や世界最大の輸出国であるインドの輸出制限などで国際的に高騰していて、FAO=国連食糧農業機関がまとめるコメの国際価格指数はことしに入ってからの平均値が1990年以来、最高となっています。

世界有数のコメの生産国でもあるインドネシアでも、1キロ当たりのコメの価格は去年の同じ時期よりおよそ20%上昇しています。

このため屋台では料理の値段を上げたり、コメの量を減らしたりして対応に追われていました。

屋台の女性客は「コメの値上げだけでも大変なのに卵などほかの食品も値上がりしている。価格を正常化すべきだ」と話していました。