高校野球 センバツ 創志学園が別海に勝ち2回戦へ

センバツ高校野球、大会3日目の第1試合は岡山の創志学園が、21世紀枠で出場した北海道の別海高校に7対0で勝って2回戦に進みました。

7年ぶり4回目の出場となる創志学園は4回、1アウト三塁のチャンスで7番・秦知也選手のセンターへの犠牲フライで先制しました。

5回に3点、7回には6番・後藤龍太朗選手のタイムリーヒットなどで2点、8回にはさらに1点を加えて7対0とリードを広げました。

先発の山口瑛太投手は、力のある速球にキレのあるスライダーやチェンジアップを織り交ぜ、9回を投げてヒット4本、三振14個を奪う好投で、完封しました。

創志学園は7対0で別海に勝って2回戦進出を決めました。

一方、21世紀枠の別海は7点を追う9回に2本のヒットでチャンスを作りましたが、あと1本が出ず、初めての甲子園での得点をあげることができませんでした。

《創志学園 監督・選手談話》

門馬監督「格別にうれしい」

創志学園の門馬敬治監督は、おととしの監督就任後、初めての甲子園出場でした。勝利について「格別にうれしい」と喜びをかみしめました。
序盤が0対0でこう着した展開になったことについて「私の緊張がうつったのか、選手たちの動きが始めは硬かった。ふだんどおりにさせたいと、足を使った攻撃でうまく得点につなげることができた」と振り返りました。
また、9回を無失点で投げ抜いた山口瑛太投手については「丁寧に投げ抜いてくれた。どんどん攻めていける投手で、これをきっかけにさらによくなってくれると期待している」と評価していました。

山口瑛太投手「憧れの舞台で完封勝利できてよかった」

創志学園の先発、山口瑛太投手は「秋の大会では自分が打たれて負けてしまったので、もう一度、エースとしてチームを引っ張ると誓ってセンバツに臨みました。憧れの舞台で初戦を完封勝利することができて本当によかったです」と心境を話しました。
また、9回を投げて14個の三振を奪ったことについて「公式戦では自己最多となる三振を取ることができたのは結果的によかったのですが、キャッチャーが構えたコースと逆のボールだったり、チェンジアップの制球に課題があったりしたので65点です。次の試合に向けて修正したいです」と冷静に振り返っていました。

《別海 監督・選手談話》

島影監督「エラーしてしまうと勝負にならない」

別海高校の島影隆啓監督は「一つ一つのプレーをしっかりできていたら違った展開になっていたかもしれないですが、ここまでエラーをしてしまうと勝負にならないですね」と守りの乱れに悔しさをにじませました。
アルプス席での応援については「本当は勝つところを見せたかったですが、多くの人に支えてもらい、この舞台に立つことができて本当に幸せでした。別海は大好きなふるさとだと改めて感じることができました」と笑顔で話していました。

中道航太郎主将「相手の攻撃にのまれた」

敗れた別海高校のキャプテン、中道航太郎選手は「自分たちは守りのチームですが、甲子園の舞台でいつもどおり守れず、相手の攻撃にのまれてしまいました」と悔しそうに振り返りました。
また、地元の別海町が練習環境などを整える支援をしたことについては「整えてもらったおかげで、憧れの舞台に立つことができてうれしかったです。きょうも多くの人に応援してもらい、感謝の気持ちでいっぱいです」と心境を話していました。

創志学園 山口投手 冬のトレーニングを強化

創志学園のエース、山口瑛太投手は強い決意を持ってマウンドに立ち、相手の打線から9回で三振14個を奪い、0点に抑える好投を見せました。

神奈川県出身の山口投手は、甲子園出場を目指して創志学園に入学しました。力強い腕の振りとテンポのよいピッチングを持ち味に、入学して3か月足らずで行われた夏の岡山大会でベンチ入りし、2年生となった去年の秋大会では背番号「1」を託されました。

この秋大会では中国大会の準決勝まで4試合に登板し、失点0とエースの投球を見せましたが、広島の広陵高校との決勝で9本のヒットを打たれるなど、7回途中を2失点、チームも1対2で敗れました。わずか2失点が勝敗を分ける結果となりました。

山口投手は当時を振り返り、「自分の球で負けたという自覚が本当にあった。自分がチームを引っ張って、もう1回センバツでエースナンバーを背負うと覚悟を持った」と明かしました。

冬のトレーニングでは「より強いボールを投げられるように」と体重を増やすなど体作りに力を入れてきました。ひとまわり体が大きくなって、再びエースナンバー1を背負って20日の初戦を迎えました。

先発の山口投手は「相手に向かって行くことを意識した」と3回まで1人のランナーも出さない完璧なピッチング。その後は、スライダーやチェンジアップを織り交ぜる緩急をつけた投球で、9回をヒット4本、14個の三振を奪って無失点とまさにエースのピッチングでした。

監督がたたえた好投にも「点数は65点」とみずからに厳しかった山口投手は、「今度はアグレッシブで攻めのピッチングをしたい」と早くも次の試合を見据えていました。