葛飾北斎の「富嶽三十六景」 全作品が5億4000万円で落札

アメリカ・ニューヨークで江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作として知られる版画「富嶽三十六景」が、全作品そろってオークションにかけられ、5億円余りで落札されました。

落札されたのは、葛飾北斎の版画の代表作、「富嶽三十六景」の全46作品です。

19日、アメリカ・ニューヨークで行われたオークションで355万9000ドル、日本円でおよそ5億4000万円で落札されました。落札者は明らかにされていません。

もともとはアメリカの個人コレクターが集めたもので、代表作の一つで富士山を背景に荒波と船を描いた「神奈川沖浪裏」などすべての作品がそろっています。

会社側によりますと、富嶽三十六景がすべてそろってオークションにかけられるのは2002年以来で、最近では、海外での北斎の人気を背景に落札価格が高くなる傾向にあるということです。

去年アメリカで行われたオークションでは、「神奈川沖浪裏」が276万ドル、およそ4億円で落札されていました。

オークション会社の担当者、村上高明さんは「今回のオークションでは世界中から多くの問い合わせがあり、北斎の人気を強く感じた」と話していました。