中国で拘束続く製薬会社の日本人男性社員 検察が起訴審査に

中国の北京でスパイ行為に関わったとして現地の国家安全当局によって逮捕された大手製薬会社の日本人男性社員について、中国の検察が起訴するかどうか決めるための審査に入ったことがわかりました。

大手製薬会社、アステラス製薬の50代の日本人男性社員は、2023年3月にスパイ行為に関わったとして、中国の首都 北京で国家安全当局に拘束され、その後、逮捕されました。

日中関係筋によりますと中国の検察は18日、この男性を起訴するかどうか決めるための審査に入ったということです。

審査の途中、追加の捜査が行われる可能性もあり、審査の期間は最長で6か月半となっています。

起訴されれば裁判に向けた手続きに入り、解放はさらに困難になるため、日本大使館は「早期解放を引き続き強く申し入れていく」としています。

男性は拘束されてから3月で1年となり、北京市内の収容施設で拘束状態が続いています。

現地の日本大使館の職員が定期的に面会していて、金杉憲治大使も着任直後のことし1月に面会を行っています。

中国ではスパイ行為に関わったとして、日本人を含む外国人が拘束されるケースが相次いでいますが、法律の定義があいまいで、どういった行為が問題視されるのか明確ではないため、外国企業などの間では懸念が強まっています。