日本製鉄 USスチール買収 自社の米本社の移転計画を明らかに

日本製鉄はアメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収計画で、自社のアメリカ本社をUSスチールの本社があるペンシルベニア州に移転させる計画を明らかにしました。買収に対し否定的な声が相次ぐ中、地元などに配慮する姿勢を示すねらいもあるものとみられます。

日本製鉄はアメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールを4月から9月までの間に子会社化する買収計画を発表し、これに対してアメリカの鉄鋼業界の労働組合が批判する声明を出しています。

さらに
▽トランプ前大統領が買収を阻止すると発言し
▽3月にはバイデン大統領も買収に否定的な考えを示しました。

こうした中、日本製鉄とUSスチールは18日、アメリカで文書を公表し、この中で
▽買収による雇用の削減や、施設の閉鎖、生産の海外移転は行わないとしたうえで
▽ペンシルベニア州のピッツバーグにあるUSスチールの本社や、会社の名称、ブランドも維持するなどとしています。

さらに
▽買収完了後にテキサス州にある日本製鉄のアメリカ本社もピッツバーグに移転させる計画を明らかにしました。

日本製鉄は移転の計画について、「地域社会への貢献をより大きなものにするため」としていて、買収に対し否定的な声が相次ぐ中、地元などに配慮する姿勢を示すねらいもあるものと見られます。