岸田首相 政府と日銀の共同声明は見直さない考え示す

日銀が「マイナス金利政策」の解除などを決定したことについて、岸田総理大臣は日本経済を新たな段階に移行させるもので適切だという認識を示しました。一方、デフレ脱却の判断は今後の経済指標を踏まえて、総合的に判断する考えを示しました。

「マイナス金利政策」の解除など日銀の金融政策変更の決定後、岸田総理大臣は植田総裁と総理大臣官邸で会談しました。

このあと、岸田総理大臣は記者団の取材に応じ、今回の日銀の決定への受け止めを問われ、「就任以来、重点的に取り組んできた賃上げや投資、また、企業の稼ぐ力に前向きな動きが見られる」と述べました。

その上で、「このような情勢を踏まえて、異次元の金融緩和政策について 現下の情勢を踏まえた新たな段階へ踏み出すと同時に、前向きな経済の動きをさらに確実なものにするという観点から、緩和的な金融環境が維持されることになったのは適切であると考えている」と述べました。

一方、「デフレ脱却」の判断については、「消費者物価やGDPギャップといった指標、それに賃金上昇や企業の価格転嫁の動向、物価上昇の広がりなど幅広い角度から総合的に行うものだ。きょう、日銀の判断は示されたが、デフレ脱却宣言には総合的な判断を行わなければならない」と述べました。

そして、「政府と日銀で引き続き、緊密に連携していかなければならない。経済、物価動向に応じて機動的な政策運営を行っていくことを植田総裁とも確認した。政府としてはデフレからの完全脱却と、新たな成長型経済への移行に向けてあらゆる手段を総動員していきたい」と強調しました。

さらに、政府と日銀が2013年に発表し、2%の物価安定目標を掲げた共同声明については見直さない考えを示しました。