米国務長官 フィリピン外相と会談 “日米比で中国抑止を”

アメリカのブリンケン国務長官はフィリピンのマナロ外相と会談し、中国が南シナ海での活動を活発化させていることに懸念を示したうえで、4月に予定されているアメリカと日本、フィリピン3か国での初めてとなる首脳会談を通じて連携を強化し、中国の動きを抑止したい考えを示しました。

アメリカのブリンケン国務長官とフィリピンのマナロ外相は19日、マニラで会談したあと、そろって記者会見しました。

南シナ海ではフィリピンと中国が領有権を争うセカンド・トーマス礁の周辺で、両国の対立が深まっていて、フィリピン側は3月5日には軍の船が中国海警局の船から放水銃を発射され、乗組員4人がけがをしたと発表しました。

19日の記者会見でブリンケン長官は「われわれは自由で開かれたインド太平洋という共通の構想を脅かす中国の行動をともに懸念している」と述べました。

そのうえで、アメリカとフィリピンの防衛義務を定めた相互防衛条約に言及し、「南シナ海のどこであっても、フィリピン軍や公船などへの武力攻撃は適用対象だ」と述べ、中国を強くけん制しました。

さらに、ブリンケン長官は「日本を含めた3か国はより大きな安定を築き、平和を深めていくうえで、非常に重要なプラットフォームだ」と述べ、4月11日に予定されているアメリカと日本、それにフィリピン3か国での初めてとなる首脳会談を通じて連携を強化し、中国の動きを抑止したい考えを示しました。