政治資金問題 野党4党 安倍派幹部ら6人の証人喚問要求で一致

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、立憲民主党など野党4党は、18日までの衆議院政治倫理審査会では実態解明につながらなかったとして、安倍派の幹部ら6人について、予算委員会で証人喚問を行うよう要求することで一致しました。

今回の問題で衆議院政治倫理審査会では、これまでに岸田総理大臣と、18日に出席した下村 元政務調査会長を含む安倍派などの幹部を務めた議員による弁明と質疑が行われました。

これを受けて、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党の国会対策委員長らが国会内で会談しました。

そして、18日までの審査会では国民が納得する説明が行われず、実態解明につながらなかったとして、派閥の事務総長経験者など6人について、予算委員会で証人喚問を行うよう要求することで一致しました。

証人喚問を要求する6人は塩谷元文部科学大臣、下村氏、松野前官房長官、西村前経済産業大臣、高木前国会対策委員長に加え、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で起訴され、自民党を除名処分となった池田佳隆・衆議院議員です。

会談では政治倫理審査会で説明をしていない、安倍派と二階派の残る45人の衆議院議員にも出席を求める方針で一致し、審査会の開催の申し立てに必要な委員が野党だけでは1人足りないことから、与党側にも協力を呼びかけることを確認しました。

このあと、立憲民主党の安住国会対策委員長が自民党の浜田国会対策委員長と公明党の佐藤国会対策委員長にそれぞれ申し入れました。

自民 浜田国対委員長「かなりハードルの高い話」

自民党の浜田国会対策委員長は記者団に対し、「証人喚問となるとかなりハードルの高い話だと思うので、すぐに応じられるかは判断しがたい。もろもろの状況も踏まえて判断していくことになる」と述べました。

また、今後の政治倫理審査会の開催については、「衆議院は自分で手を挙げる形で開いているので、いきなり議決して呼ぶことになるとちょっと話が違ってくる。今後、話を聞いて検討していくことになる」と述べました。

立民 安住国対委員長「国政調査権を発動し組織性と悪質性追及」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し、「自民党は政治倫理審査会が終わって幕引きを図ろうと思うかもしれないが、さらに疑念が深まった。国民はストレスがますますたまったのではないか。残念ながら自分に都合のよいウソばかりついているので、ウソをつけない状況で発言してもらうしかなく、証人喚問を実現してもらいたい。われわれに捜査権はないが、国政調査権を発動し、組織性と悪質性を追及していく」と述べました。

維新 遠藤国対委員長「残念な思い 早く真相解明を」

日本維新の会の遠藤国会対策委員長は記者団に対し、「政治倫理審査会で国民が納得する説明が行われず、証人喚問を要求せざるをえないのは残念な思いだ。政治改革について衆議院の特別委員会で議論をするにしても、どこが悪かったかや原因ははっきりさせないと空虚なものになる。早く真相解明をすべきだ」と述べました。

共産 穀田国対委員長「森元総理も証人喚問を」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で、「今までの審査会を通じてはっきりしたのは真相解明ができていないということだ。疑惑は深まり、発言の整合性がとれていない問題もある。『自分は出てもいい』と言っている議員もいるので、引き続き、出席してもらうことが必要だ。裏金づくりの発端に介在しているのは森 元総理大臣だと言う人もいるので、森氏も証人喚問し、国会に呼ぶべきだと提案した」と述べました。