スカーフめぐり逮捕の女性が死亡 “イラン政府に責任”国連

イランでおととし、スカーフのかぶり方をめぐって逮捕された女性が死亡した問題について、国連の調査団が報告書をまとめ、「暴力によって死亡したもので、イラン政府に責任がある」として、人権状況の改善を求めました。

イランではおととし9月、女性が公共の場で着用を義務づけられているヘジャブのかぶり方が不適切だとして逮捕された、当時22歳のマフサ・アミニさんが死亡し、警察の暴行によるものだとして、各地に抗議デモが広がりました。

国連の人権理事会の調査団は、アミニさんが死亡した経緯やその後のデモ参加者への治安当局の対応について調査などを行ってきましたが、18日、報告書を理事会に提出しました。

報告書は、アミニさんが拘束されたあとに暴力を受け外傷を負ったことで死亡したとみられることから、「暴力を受けて死に至った。イラン政府に責任がある」と指摘しています。

また、抗議デモも治安当局に弾圧され、去年9月までに子ども68人を含む551人が死亡し、逮捕された参加者は拷問で自白を強要され、すでに9人が処刑されたほか、拘束施設での性暴力も確認されたとしています。

そのうえで報告書は、一連の人権侵害が組織的に行われていることから、「人道に対する犯罪」にもあたるとして、イラン政府に対して人権状況の改善などを強く求めています。

これに対して、人権理事会に出席したイランの代表は「調査団は独立性や公平性を欠いている」と反論しています。