【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ軍総司令官 無人機システム開発急ぎ 対抗と強調

3月15日から17日にかけて投票が行われたロシアの大統領選挙で圧勝したプーチン大統領は選挙後の演説で、ウクライナヘの軍事侵攻を政権の優先事項に掲げています。

こうした中、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は18日、SNSに、「無人機システムの開発や発展は私の優先事項だ」と投稿しました。

その上で、「量的に勝る敵に対して、質で上回るために非対称な解決策を模索している」として、兵器の量などで優勢なロシアに対して、無人機システムの開発を急ぎ、高い技術で対抗していく考えを強調しました。

ウクライナ軍は無人機を使ってロシア国内のインフラへの攻撃を強めていて、ウクライナのメディアはこの2週間で、無人機による攻撃が少なくともロシアの9つの地域で行われ、このうちの多くが石油関連施設を狙ったものだったとしています。

ウクライナ側は欧米からの支援が滞っていることもあり、砲弾などが足りておらず、前線ではロシア側の攻勢を受けていますが、無人機の生産や能力向上、それにロシアの重要な収入源となっている石油の関連施設を攻撃する戦い方で対抗する姿勢を打ち出しています。

国境を接するウクライナとロシアの州 どちらも攻撃受け被害

ウクライナ北東部のスムイ州では連日、ロシア軍によるミサイルや迫撃砲などの攻撃が続いていて、17日にも住宅や病院などが被害を受け、ウクライナ軍の報道官は「砲撃が大幅に増え、住民の避難が困難になっている」としています。

一方、スムイ州と国境を接するロシア西部のベルゴロド州にも連日、ウクライナ側からとみられる攻撃が続いていて、地元の知事は18日には4人が死亡したとしています。

ベルゴロド州にはウクライナ側に立って戦うロシア人義勇兵が越境攻撃を仕掛けていて、17日には州内の集落の行政庁舎を掌握したと主張しています。

ゼレンスキー大統領 軍事侵攻への対抗姿勢を強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、SNSにメッセージを投稿し、「ウクライナの防衛産業はことし、史上最高の生産高を達成しなければならないし、達成するだろう。この目標に向けてウクライナを支援する世界中のすべての指導者、国家、そして企業に感謝する。すべての自由主義国家が自由と安全を享受し続けられるよう、われわれは可能なかぎり、長期的かつ効果的な行動をとらなければならない」として、ロシアの軍事侵攻に対抗していく姿勢を強調しました。

プーチン大統領 “クリミア支配し続ける” 一方的併合から10年

ロシアのプーチン大統領はウクライナ南部クリミアを一方的に併合してから10年となる3月18日、モスクワ中心部の赤の広場で行った演説で、「クリミアは戦略的に重要な領土だけでなく、われわれの歴史であり誇りだ。クリミアの人々は決してロシアから離れることはない」と述べ、ウクライナが奪還を目指すクリミアについて、ロシアが支配し続けると改めて強調しました。

プーチン大統領 ウクライナ東・南部4州での併合宣言を正当化

プーチン大統領は18日、モスクワ中心部の赤の広場で行った演説で、「ノボロシアやドンバスについても人々は戻りたいと宣言した。はるかに困難だったが、われわれはやり遂げた」と述べ、ウクライナ東部と南部の4州で併合を宣言したことを正当化した上で、ノボロシアと呼ばれるこの地域で軍事侵攻を続けていく考えを強調しました。

そして、ロシア南部ロストフ州から、すでに掌握したウクライナ東部や南部をつなぐ鉄道を復旧させ、まもなくクリミアまで路線がつながる予定だと明らかにし、支配の既成事実化を急ぐねらいとみられます。

プーチン大統領 ウクライナに緩衝地帯つくる考え 一方的に示唆

プーチン大統領は17日、「ウクライナの領土に『衛生地帯』を設ける考えを排除しない」と述べ、ロシア国内の被害を防ぐため、ウクライナ領土内に緩衝地帯をつくる考えを一方的に示唆しました。

これに対して、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「ロシアが他国の主権を考慮していないことの証拠だ」として、警戒を強めています。