建築家 山本理顕さん 輪島訪れ住民らと再建について意見交換

優れた建築家に贈られるアメリカのプリツカー賞に選ばれた山本理顕さんが石川県輪島市を訪れ、能登半島地震で大きな被害を受けた市内の様子を見て回り、被災したまちの再建について住民らと意見を交わしました。

プリツカー賞のことしの受賞者に選ばれた建築家の山本理顕さんは、能登半島地震の被災地の復興に協力したいと、3日間の予定で石川県を訪れています。

18日も輪島市役所を訪れた山本さんは、坂口茂市長と面会し「もともとあった地域のコミュニティーを崩壊させないことが重要です。住民とともに、一緒に未来のまちのあり方を話し合い復興計画を考えたい」と支援を申し出ました。

これに対して坂口市長は復興は、地区ごとの状況に応じて進めていきたいと述べたうえで、「今後も知見や支援の提供をお願いしたい」と応じていました。

このあと山本さんは、地震で大規模な火災が発生し多くの建物が焼失した「朝市通り」などを訪れ、被害の様子を見て回ったほか、被災した住民と意見を交わしました。

山本さんは建物を通して人々の交流を促進することを目指した作品で知られ、13年前の東日本大震災では、仮設住宅団地の集会所の設計を行ったほか、著名な建築家らと復興についてのフォーラムにも参加するなど、被災したまちの再建についての考えを発信してきました。

山本さんは「建築家の責任として、かつてのまちの記憶をどうしたら残せるのか考えていきたい」と話していました。

山本さんは19日以降も、石川県庁や珠洲市を訪れることにしています。