イスラエル首相“ラファへの地上作戦辞さない” EUなど懸念

イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区南部ラファへの地上作戦も辞さない考えを重ねて示す中、EU=ヨーロッパ連合や各国の首脳などからは住民の犠牲に対する懸念の声が相次ぎました。

イスラエルのネタニヤフ首相は17日の閣議で「われわれは圧力には屈しない。ハマスせん滅のため、ラファでの地上作戦を始める」などと述べ、避難者150万人近くが住む南部ラファへの地上作戦に踏み切る姿勢を重ねて強調しました。

こうした中、17日、ネタニヤフ首相はイスラエルを訪問中のドイツのショルツ首相と会談しました。

会談後の記者会見で、ラファへの地上作戦についてショルツ首相は「軍事的な論理も考慮すべきだが、人道的な配慮もすべきだ」として民間人の保護を強調しました。

これに対して、ネタニヤフ首相は「民間人の犠牲を最小限に抑え、必要な人道支援を最大限行うためには、できることをすべて行う」と述べ、民間人の犠牲を抑えるよう配慮する姿勢を示しました。

一方、17日、エジプトの首都カイロでは、EU=ヨーロッパ連合の委員長や加盟国5か国の首脳とシシ大統領が会談しました。

会談後の記者会見で、シシ大統領は「イスラエル軍によるラファでの軍事作戦を断固として拒否することで首脳らと一致した」と述べました。

また、EUのフォンデアライエン委員長は「私たち全員がラファでの大規模な攻撃が無防備な市民に及ぼす危険を非常に懸念している」と主張しました。

イスラエルの有力メディア、ハーレツなどは中断している戦闘休止や人質解放に向けた交渉について、イスラエルの交渉団が18日にカタールに向けて出発する見込みだと伝えています。