【詳細18日】戦闘休止など交渉再開の見通しも進展は予断許さず

イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の戦闘休止などに向けた交渉は、中東のカタールで18日にも再開する見通しとなっています。
一方で、イスラエル軍はガザ地区最大のシファ病院で軍事作戦を行い数十人が死傷したと伝えられるなど、人道状況が改善しない中、交渉が進展するかは予断を許さない状況です。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間3月18日の動きを随時更新してお伝えします。

戦闘休止や人質解放に向けた交渉 18日に再開か

イスラエルとハマスの間で中断していた戦闘休止や人質解放に向けた交渉について、イスラエル政府が交渉団のカタールへの派遣を承認したと地元メディアが伝えていて、18日にも交渉が再開する見通しとなっています。

ただ、これまでのところ停戦とイスラエル軍の撤退を求めるハマスと、それを認めないイスラエルとの間の立場の隔たりは埋まっていません。

イスラエル軍 ガザ地区最大のシファ病院で軍事作戦

一方、イスラエル軍は18日、一度は制圧したとするガザ地区最大のシファ病院で軍事作戦を行っていると発表しました。

イスラエル軍のハガリ報道官は「シファ病院の限られた場所で精密な軍事作戦を行っている。理由はハマスが攻撃を指揮するため、病院内に再結集したからだ」などとして、作戦を正当化しました。

地元メディアは、攻撃で数十人が死傷したほか、数十人がイスラエル軍に拘束されたと伝えています。

ハマスはSNSに「イスラエル軍は患者や医療従事者への一切の配慮を見せずに、直接病院を攻撃した」と強く非難するなど、ガザ地区での人道状況が改善しない中、18日に再開する見通しの交渉が進展するかは予断を許さない状況です。

ネタニヤフ首相「ハマスせん滅のためラファで地上作戦」

イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区南部ラファへの地上作戦も辞さない考えを重ねて示す中、EU=ヨーロッパ連合や各国の首脳などからは住民の犠牲に対する懸念の声が相次ぎました。

イスラエルのネタニヤフ首相は17日の閣議で「われわれは圧力には屈しない。ハマスせん滅のためラファでの地上作戦を始める」などと述べ、避難者150万人近くが住む南部ラファへの地上作戦に踏み切る姿勢を重ねて強調しました。

こうした中、17日、ネタニヤフ首相はイスラエルを訪問中のドイツのショルツ首相と会談しました。

会談後の記者会見で、ラファへの地上作戦についてショルツ首相は「軍事的な論理も考慮すべきだが、人道的な配慮もすべきだ」として民間人の保護を強調しました。

これに対して、ネタニヤフ首相は「民間人の犠牲を最小限に抑え、必要な人道支援を最大限行うためには、できることをすべて行う」と述べ、民間人の犠牲を抑えるよう配慮する姿勢を示しました。

ラファへの地上作戦強調に懸念の声相次ぐ

一方、17日、エジプトの首都カイロでは、EU=ヨーロッパ連合の委員長や加盟国5か国の首脳とシシ大統領が会談しました。

会談後の記者会見で、シシ大統領は「イスラエル軍によるラファでの軍事作戦を断固として拒否することで首脳らと一致した」と述べました。

また、EUのフォンデアライエン委員長は「私たち全員がラファでの大規模な攻撃が無防備な市民に及ぼす危険を非常に懸念している」と主張しました。

戦闘休止に向けイスラエル交渉団が18日に出発か

イスラエルの有力メディア、ハーレツなどは、中断している戦闘休止や人質解放に向けた交渉について、イスラエルの交渉団が18日にカタールに向けて出発する見込みだと伝えています。