ロシア大統領選挙 投票最終日 政権側は反体制派の抗議に警戒か

ロシアの大統領選挙は、3日間にわたる投票が17日、最終日を迎え、日本時間の18日未明までに締め切られます。
プーチン大統領の通算5期目の当選が確実視されている一方、反体制派は現地時間の17日正午にあわせて抗議の意思を示すよう呼びかけていて、政権側は警戒を強めているとみられます。

ロシアの大統領選挙には、プーチン大統領などあわせて4人が立候補していて、3日間にわたる投票は17日、最終日を迎え、日本時間の18日午前3時までに締め切られたあと、直ちに開票されます。

今回の選挙では、ウクライナへの軍事侵攻を批判する元下院議員などの立候補が認められず、プーチン大統領の通算5期目の当選が確実視されています。

一方、先月死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏の妻のユリアさんや支援団体は、現地時間の17日正午にあわせてプーチン大統領以外の候補者に投票したり、投票用紙にナワリヌイ氏の名前を書いたりして、プーチン政権に抗議の意思を示すよう支持者に呼びかけています。

これに対し、ロシアの当局は、投票妨害などにあたる行為は禁錮刑を含む処罰の対象になると繰り返し警告していて、プーチン大統領の圧勝を演出したい政権側は、抗議の動きが広がらないよう警戒を強めているとみられます。

706人を選挙監視員に ロシア側一部の受け入れ認めず

ロシアの国営通信社によりますと、中央選挙管理委員会は15日、106か国の706人を選挙監視員として認定したと発表しました。

監視員は、選挙を実施する国の同意を得て各国や国際機関が派遣するもので、公正で民主的な選挙が行われているか、投票や開票作業などを監視します。

ロシアメディアなどは、今回、監視員は、アメリカや中国、中東のイラン、シリア、南米のウルグアイなどから訪れていると伝えています。

旧ソビエト諸国でつくるCIS=独立国家共同体によりますとベラルーシやカザフスタンなど各加盟国からも派遣されるということです。

また、ロシアの国営メディアは、今回、監視員は、ロシア国内だけでなくウクライナ東部や南部のロシアが支配する地域にも入っていると伝えています。

一方、外務省によりますと、今回日本からは監視員を派遣しないということです。

日本はこれまでもロシアで行われる選挙に監視員を派遣し前回6年前の大統領選挙ではロシア政治が専門の学識経験者と総務省選挙課の職員を派遣していました。

また、OSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構はこれまでも監視員を派遣し、立候補の受け付けから、選挙期間中のメディアによる候補者の扱い、投票所や開票所の担当者が手順に従って作業を進めているかに至るまで監視し問題点を指摘してきました。

OSCEによりますと今回、ロシア側は監視員の受け入れを認めなかったということで「大変遺憾だ」とする声明を出しました。これに対してロシア外務省は「OSCEの監視がなくても国際監視活動の質は損なわれない」などと主張しました