石川 珠洲のカフェが金沢で一日限定開店 なじみの味を楽しむ

能登半島地震で被災した石川県珠洲市のカフェが16日、金沢市内で宿泊施設を借りて一日限定で店を開き、能登地方から避難している人たちが訪れてなじみの味を楽しみました。

能登半島の先端部の珠洲市狼煙町でカフェを営む糸矢章人さん(44)は、地震で自宅が全壊したほか、店は片づけが済んでおらず、営業できない状態が続いています。

糸矢さんは主に金沢市内の「みなし仮設」で生活していて、16日は市内の宿泊施設を借り、一日限定でランチの時間帯に店を開きました。

店には、正午の開店とともに、珠洲市から2次避難してきた人たちなどが次々と訪れ、看板メニューの、珠洲の米や塩を使った鶏肉のスパイスカレーなどを食べながら、会話を楽しんでいました。

中には、糸矢さんが地震のあと初めて再会した人もいたということです。

店を訪れた夫婦は「珠洲市にいたときは毎週店に行っている時もありました。ここのカレーを食べるのは3か月ぶりで、変わらずおいしかったです」と話していました。

糸矢さんは片付けなどが終わりしだい、早ければ4月ごろに珠洲市の店を再開したいと考えています。

糸矢さんは「こんなに長い期間、店を営業しないのは初めてなので慣れないこともありました。地震のあとは、それまで頻繁に会っていた人と会えなくなったりしていたので、被災した人がこうして集まる場となってよかったと思います。早く珠洲でも店を再開させたいです」と話していました。