石川 輪島港 仮設の桟橋設置作業 岸壁隆起で漁ができない状態

能登半島地震で海底や岸壁が隆起したため漁ができなくなっている石川県の輪島港で、仮設の桟橋を設置する作業が行われました。

輪島市にある輪島港では、1月の地震で海底の地盤が隆起し水深が浅くなったほか、岸壁も1メートル以上せり上がったため、船の乗り降りや魚の水揚げが難しくなり、およそ200隻ある船が漁に出られない状態が続いています。

石川県は、船の乗り降りができるようにするため、港に仮設の桟橋を設置することにし、16日、作業が行われました。

桟橋は、長さが34メートル、幅が4.2メートルあり、作業員が岸壁と平行になるよう位置を調整したあと、いかりを下ろして固定し、最後にタラップを設置して岸壁と行き来できるようにしていました。

県や漁協はより多くの船が接岸できるよう、仮設桟橋の設置を増やしていきたいとしています。

一方、港では、地元の漁師たちが今後、船を仮設桟橋などに移動させる場合に備えて、少しでも船を浮かせようと、船内にある網などを陸上にあげて軽くする作業を進めていました。

漁師の山本伸治さん(60)は「潮が引くと船が海底についてしまいます。港は全然改善していないので、一日でも早く漁に出られるよう一生懸命頑張りたいです」と話していました。

輪島港では水深を確保するため、海底の土砂などを取り除く工事も進められていますが、地元の漁協によりますと、漁が再開できる見通しはまだたっていないということです。