国宝 新たに6件指定へ 平安時代に藤原道長が書写した経典など

平安時代に藤原道長が書写し奈良県の経塚に納めた経典や、三重県の古墳から出土した埴輪など、6件が、新たに国宝に指定されることになりました。

15日に開かれた文化庁の文化審議会は、国宝6件と重要文化財36件の指定などを盛山文部科学大臣に答申しました。

このうち、国宝に指定される「金峯山経塚出土紺紙金字経」は、平安時代に藤原道長やひ孫にあたる師通が書写し、奈良県の経塚に収めた経典です。

紺色の紙に金色の字で書かれているのが特徴で、保存状態もよく、文化史研究上、非常に貴重だとされました。

また、「三重県宝塚一号墳出土埴輪」は、三重県松阪市にある5世紀ごろの古墳から出土した、船や家の形を模した埴輪8点です。

船の形の埴輪は全長1メートル40センチ、高さ94センチと大型で、通常知ることが難しい古墳時代の船の姿を精巧に表し、学術的価値が高いとされました。

このほか、鎌倉時代の仏師、定慶らの作とみられる「木造六観音菩薩像」なども国宝に指定されます。

今回の指定で、美術工芸品の国宝は912件になります。