石川 能登町 特産の「いしり」約2か月ぶり一部で出荷再開

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登町で、特産のイカを使った調味料「いしり」の出荷がおよそ2か月ぶりに一部で再開されています。

「いしり」は能登半島に伝わる調味料で、イカの内臓を塩と混ぜて発酵させて作る魚醤として鍋料理などの隠し味に使われ、日本三大魚醤の1つにも数えられています。

およそ80年前から能登町で「いしり」を生産している水産加工会社では、作業場に続く唯一の道路がおよそ50メートルにわたって崩落したため地震が起きてから生産ができていませんでした。

作業場では今も断水が続いていますが、崩落した道路に代わる仮設道路が開通したため、先週から水を運び込み「火入れ」と呼ばれる熱を加える作業を始め、今週からおよそ2か月ぶりに一部の出荷を再開しました。

15日も従業員は、瓶に商品のラベルや県食品協会が独自に製作した「食べて復興支援がんばろう!能登」と書かれたロゴマークを貼り付けていました。

水産加工会社の新谷伸一社長は「被害が深刻な状況の中で奥能登の方から商品を発信できるというのはこの地域にとって大きな力になると思ったので、無理をしてでも皆様に商品をお届けしたいという気持ちで取り組んでいます。被災地も頑張っているという声を届けられればと思う」と話していました。