近畿日本ツーリスト元支店長ら 執行猶予付き有罪判決 大阪地裁

新型コロナウイルスのワクチン接種の関連業務で、東大阪市から8億9000万円余りの業務委託費をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた、近畿日本ツーリストの元支店長ら3人に、大阪地方裁判所は執行猶予の付いた懲役3年の有罪判決を言い渡しました。

近畿日本ツーリスト関西法人MICE支店の元支店長、森口裕被告(55)ら3人は、東大阪市から委託を受けていた新型コロナのワクチン接種のコールセンター業務で、おととし10月までのおよそ1年間に、オペレーターの人数を偽って委託費を過大に請求するなどして水増しした2億2000万円余りを含む8億9000万円余りをだまし取ったとして、詐欺の罪に問われました。

15日の判決で、大阪地方裁判所の渡部市郎裁判長は「3人が共謀して過大に稼働人数を申告し、金をだまし取ったもので、結果は重大だ。会社の売り上げを確保するために行っていて、不正請求を是認する風土があった」と指摘しました。

一方で「全額弁償し、懲戒処分も受けていて、一定の社会的制裁が済んでいる」として、懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。

この問題をめぐっては、全国の自治体で過大請求が明らかになっていて、ことし1月には、近畿日本ツーリストの静岡支店の元社員に執行猶予のついた有罪判決が言い渡され、確定しています。

近畿日本ツーリスト「深くおわび申し上げます」

判決を受けて、近畿日本ツーリストは「お客様ならびに関係者の方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。再発防止策に取り組み、信頼回復に向け、着実に実行してまいります」とコメントしています。