ガザ地区“北部で支援物資を待つ住民が20人死亡”現地保健当局

イスラエル軍の軍事作戦で危機的な人道状況が続くガザ地区で、現地の保健当局は、北部で支援物資を待っていた住民がイスラエル軍の攻撃を受け14日までに20人が死亡したと発表しました。一方、イスラエル軍は「攻撃したという報道は誤りだ」と否定しています。

ガザ地区の保健当局は、北部のガザ市で食料などの人道支援物資を待っていた住民がイスラエル軍の攻撃を受け、14日までにシファ病院に搬送された20人が死亡し、155人がけがをしたと発表しました。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、シファ病院にけがをした人たちが次々と運び込まれる様子を伝えていて、映像からはベッドがほとんどない病室で床に横たわって治療を受ける人の姿も確認できます。

アメリカ国務省のミラー報道官は14日の記者会見で、詳しい情報がないと前置きした上で「支援を必要とするパレスチナ人が危険にさらされることなく支援物資を効果的に受け取ることができる措置を講じてほしい」と述べ、イスラエルに対し、民間人の保護を改めて求めました。

一方、イスラエル軍は15日、SNSに声明を投稿し「イスラエル軍が支援物資の配給地点で、ガザの人たち数十人を攻撃したという報道は誤りだ」と否定しています。

人道支援物資を待つ人の犠牲が相次いでいるガザ地区では、戦闘に加え、イスラエル軍による検問の影響もあって、陸路での食料などの搬入が難しく、アメリカやヨルダンなどが輸送機からパラシュートを使って食料を投下していますが、状況の改善には至っていません。