国連報告書“国民の豊かさ”日本24位 世界は格差拡大し二極化

UNDP=国連開発計画は、世界各国の国民の豊かさを示す「人間開発指数」について最新の報告書を発表し、日本の順位は前回より下がって24位となりました。

「人間開発指数」は、国民ひとりあたりの所得や教育、平均寿命をもとに算出したその国の暮らしの豊かさを示すものです。

UNDPが発表した最新の報告書によりますと、「人間開発指数」が最も高かったのはスイスで、次いで2位がノルウェー、3位がアイスランドでした。

また日本は24位で、前回調査の22位から後退しました。

このほか、韓国が19位、アメリカが20位、ロシアが56位、中国は75位などとなっています。

報告書は、世界全体でみると「人間開発指数」は過去最高の水準に達したものの、新型コロナの感染拡大の前後で先進国と途上国の間で格差が拡大し二極化が進んでいると指摘しました。

具体的には、OECD=経済協力開発機構に加盟する38か国はすべて2019年の水準を上回った一方で、18の途上国はコロナ以前の水準を下回ったままだとしています。

またアフガニスタンでは10年前の水準に、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナではおよそ20年前の水準になっていると指摘しています。

ニューヨークの国連本部で13日、会見したUNDPのシュタイナー総裁は「豊かな国と貧しい国が対立し、非常に不平等で不完全な形で発展が進んでいて、さらなる不平等と貧困を生み出しかねない」と述べ、格差の是正に取り組むべきだと国際社会に訴えました。