能登半島地震 被災児童 慣れ親しんだ学校で卒業式 石川 内灘町

能登半島地震の発生から2か月以上たった今なお液状化の影響で断水などが続く石川県内灘町の小学校で、卒業式が行われました。

地震のあと、別の小学校にバス通学してきた児童たちは、慣れ親しんだ学校に久しぶりに戻って14日の式を迎えました。

内灘町は地震による液状化の影響で、一部の地域で今も上下水道の断水が続いているため自宅での生活ができず転居を強いられる人がいます。

14日、卒業式が行われた西荒屋小学校も断水が続き、通学路の安全が確保できないこともあって49人の児童はおよそ5キロ離れた別の小学校にバスで通学しています。

こうした中、6年生の児童が慣れ親しんだ学校で卒業式を行うことができるように仮設トイレを設置し保護者が一緒に登校するなど安全を確保したうえで、14日を迎えました。

式では卒業する6年生8人が在校生の拍手で迎えられて入場し、浮田いづみ校長に名前を呼ばれると元気に返事をして卒業証書を受け取りました。

そして浮田校長は「皆さんの顔がたくましく輝いて見えます。仲間と力を合わせていくことを学ぶ3学期でした」とあいさつしました。

また「被災からの大変な日々を支えてもらい、ありがとうございます」と、保護者に感謝を述べた際には、ことばを詰まらせていました。

最後に卒業生が「思い出いっぱいの西荒屋小学校、さようなら」と別れのことばを告げると、在校生も「さようなら」と応えていました。

卒業する女子児童は「『家が壊れたので引っ越さないといけないかもしれない』と友達から聞いた時には離れ離れになるのが心配でした。でも、きょう一緒に卒業できて、本当にうれしいです」と話し、涙をこぼしていました。

児童の父親も「自分もこの小学校を卒業していて、子どもにも同じ経験をしてほしかったので、友達と一緒にこの場所で卒業式を迎えられてよかったです」と話していました。