柿沢前法務副大臣に執行猶予付き有罪判決 東京地裁

去年4月に行われた東京の江東区長選挙をめぐり、公職選挙法違反の買収などの罪に問われた柿沢未途 前法務副大臣に対し、東京地方裁判所は「国政を含む政治不信を招いた」として懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

前法務副大臣で2月に議員辞職した柿沢未途 被告(53)は去年4月の江東区長選挙をめぐり、区議会議員など10人に選挙運動の報酬として、合わせておよそ280万円を提供したり提供を申し込んだりしたほか、インターネットに木村弥生 前区長への投票を呼びかける有料広告を掲載させたとして、公職選挙法違反の買収などの罪に問われました。

これまでの裁判で元議員は「万死に値する」などと話し、起訴された内容を認めた一方、事件の経緯など具体的な説明はしませんでした。

14日の判決で東京地方裁判所の向井香津子 裁判長は「政治的基盤を強めるために積極的に秘書らに指示して買収を主導した。強い非難に値し、国政を含む政治不信を招いた」と指摘し、有料広告についても89万回再生されたことなどを挙げて、「責任は軽くない」と述べました。

そのうえで、「みずからが犯した行為と向き合い、反省を深めている様子は見受けられない」として、懲役2年、執行猶予5年を言い渡しました。

確定すれば公職選挙法の規定により、柿沢元議員は5年間、公民権が停止されることになります。

向井裁判長は最後に、「ルールを守るというごく当たり前のことがなぜできなかったのか。国民の一般常識に立ち返ってよく考えてください」と話し、柿沢元議員は何も言わず聞いていました。

林官房長官「国民の信頼確保に努めていく」

林官房長官は午前の記者会見で、「元法務副大臣が公職選挙法違反により有罪判決を受けたことは遺憾だ。政府としては能登半島地震の被災地の復旧・復興をはじめ、内外の諸課題に全力で取り組み、国民の信頼確保に努めていく」と述べました。