英政府 郵便局えん罪事件 被害者の有罪判決取り消す法案を提出

イギリスの郵便局で利用されていた会計システムの欠陥によって、郵便局長らが不当に訴追されたえん罪事件について、イギリス政府は13日、被害者の有罪判決を取り消す法案を議会に提出したと発表しました。

イギリスでは1999年から2015年までの間に、郵便局の窓口の現金と会計システム上の残高が合わなかったなどとして、郵便局長ら900人以上が横領などの罪で訴追されました。

その後、2019年に裁判所が富士通の子会社が納入した会計システムの欠陥を認定し、これまでに100人余りの有罪判決が取り消されましたが、当事者全体の補償には至っていないと指摘されていました。

イギリス政府は13日、被害者の有罪判決を取り消す法案を議会に提出したと発表しました。

対象となるのは2018年までのおよそ20年間で会計システムを利用していた郵便局長らのうち、窃盗や不正会計などの罪で訴追された人などで、要件を満たせば法的な手続きをせずに有罪判決が取り消されるとしています。

また、生活の再建のためとして60万ポンド、日本円で1億1000万円余りを受け取る権利もあるとしていて、対象は数百人に上るということです。

政府は法案について、ことし7月末までに成立させたいとしています。