栃木「三王山南塚古墳群」“掘削あと”発見 権力誇示のためか

栃木県下野市の『三王山南塚古墳群』で、古墳の周囲の地面が70センチほど掘り下げられていることが分かりました。
市では権力を誇示するために、古墳をより高く見せようとした可能性があるとしています。

下野市にある『三王山南塚古墳群』は田川と鬼怒川によって形成された台地の南に『前方後方墳』などが並ぶ4世紀ごろに造られた古墳群で、栃木県内で最も古い古墳群の一つとされています。

下野市によりますと、ことし1月から進めている発掘調査で、3つある古墳の周辺を取り囲む東西130メートル、南北80メートルの広い範囲で、人工的に地面全体が70センチほど掘り下げられている可能性があることが分かりました。

下野市は集団で大規模な土木工事を行って地面を掘り下げることで、古墳をより高く見せようとしていたのではないかと見ています。

下野市教育委員会文化財課の下谷淳課長補佐は「大規模な工事を可能にする、権力格差がある集団の存在がうかがえる」と話しています。

現地調査に立ち会った考古学が専門の福島大学・行政政策学類の菊地芳朗教授は「今回の発見の価値を現時点で判断することは難しいが、今後の古墳研究のヒントになる可能性がある」と指摘しています。